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広島「原爆の日」 「核なき世界」へ We Can.

2009年8月6日

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写真原爆慰霊碑前は、犠牲者に祈りをささげる人たちの列ができた=6日午前7時25分、広島市中区、青山芳久撮影写真原爆慰霊碑には大勢の人たちが訪れた=6日午前9時24分、広島市中区、飯塚晋一撮影写真原爆慰霊碑の前では、夜明け前から犠牲者を悼む人たちが訪れた=6日午前5時すぎ、広島市中区、金川雄策撮影写真原爆供養塔では早朝から、多くの人が訪れ、犠牲者に手を合わせた=6日午前5時すぎ、広島市中区、高橋正徳撮影写真原爆慰霊碑の前には、早朝から多くの人が訪れ、犠牲者に手を合わせた=6日午前4時47分、広島市中区、金川雄策撮影

 原爆投下から64年。広島は6日、「原爆の日」を迎えた。広島市中区の平和記念公園では午前、「原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」(平和記念式)が開かれ、約5万人が犠牲者を悼み、世界の平和を祈った。麻生首相は式典参列後、原爆症認定集団訴訟の原告らと訴訟終結の確認書に署名した。秋葉忠利市長は平和宣言で、「核兵器のない世界」を掲げるオバマ米大統領への支持を前面に出し、核廃絶について英語で「イエス・ウイ・キャン(絶対にできる)」と呼びかけた。

 オバマ大統領の登場で核廃絶への期待が高まるなかで迎えた「8・6」。麻生首相は「核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向け国際社会の先頭に立っていく」とあいさつ。海外の独立国の首相経験者で初めて参列したマレーシア元首相のマハティール氏は参列後に記者会見し、「オバマ政権は今後、保有する核弾頭を実際に削減していくことが重要になる」と述べた。国連総会のデスコト議長(ニカラグア)は「オバマ大統領は世界に希望を取り戻せる人物。彼も広島に来たいと思っているだろう」と会見で話した。

 式典では、原爆が投下された午前8時15分、「平和の鐘」が鳴らされ、参列者全員が1分間の黙祷(もくとう)をささげた。

 3月末の国内外の被爆者は23万5569人。前年から8123人減った。平均年齢は75・92歳。この1年で死亡が確認された広島での被爆者5635人の原爆死没者名簿を、秋葉市長と遺族代表2人が式典で慰霊碑に納めた。死没者は計26万3945人。長崎で被爆し、遺族が希望した4人の名簿も今年初めて別に納められた。

 秋葉市長は平和宣言で、「核兵器を使った唯一の国として行動する道義的責任がある」と明言したオバマ大統領に応え、ともに活動する責任があると強調した。核廃絶を願う多数派(マジョリティー)とオバマ大統領の名前を合わせた「オバマジョリティー」という造語も提唱。初めて英文で締めくくり、世界中の市民に結集を求めた。

 海外からは過去最多の59カ国の代表が参列。核を保有しているとみられているイスラエルの駐日大使も初めて出席した。(加戸靖史)

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