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オバマ演説の支持を世界に、長崎市長訴え 「原爆の日」

2009年8月9日21時44分

写真:64回目の原爆の日を迎え、開かれた平和祈念式典=9日午前11時20分、長崎市の平和公園、日吉健吾撮影64回目の原爆の日を迎え、開かれた平和祈念式典=9日午前11時20分、長崎市の平和公園、日吉健吾撮影

写真:午前11時2分に合わせて黙祷する人たち=9日、長崎市の平和公園、日吉健吾撮影午前11時2分に合わせて黙祷する人たち=9日、長崎市の平和公園、日吉健吾撮影

写真:被爆マリア像が、人々の平和への祈りをのせ、平和公園から浦上天主堂へゆっくりと進んだ=9日午後7時26分、長崎市松山町、金川雄策撮影被爆マリア像が、人々の平和への祈りをのせ、平和公園から浦上天主堂へゆっくりと進んだ=9日午後7時26分、長崎市松山町、金川雄策撮影

 長崎は9日、64回目の原爆の日を迎えた。長崎市の平和公園で長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典(市主催)があり、被爆者や遺族らが犠牲者を悼み、平和を誓った。田上富久市長は平和宣言で「核兵器のない世界を目指す」としたオバマ米大統領のプラハ演説を評価。世界の市民に向け、それぞれの場所や暮らしの中で演説への支持を表明し、核なき世界への道をともに歩もうと呼びかけた。

 午前10時40分に開式。長崎で被爆し、7月末までの1年間に亡くなった3304人の名簿が奉安箱に納められた。原爆死没者は計14万9266人になった。

 被爆者や遺族の代表らが献花したあと、原爆投下時刻の11時2分、「長崎の鐘」の音を合図に黙祷(もくとう)した。

 田上市長は平和宣言で、オバマ大統領の演説を「核超大国が核廃絶に向けてようやく一歩踏み出した歴史的な瞬間」と表現した。一方、北朝鮮の核実験を批判し、「世界が核抑止力に頼るかぎり、危険な国やテロリストが現れる」として、核保有5カ国に対し核不拡散条約(NPT)での核軍縮の責務を果たすよう要求。核兵器禁止条約への取り組みも求めた。

 日本政府には非核三原則の法制化、北東アジア非核兵器地帯の実現に着手すべきだとした。

 さらに、多くの遺骨が眠る被爆の跡地に立てば犠牲者の無念の思いに心がふるえ、被爆者の声を聞けば心動かされるだろうと述べ、核保有国の首脳らの名前も挙げて世界の指導者に被爆地を訪れるよう要請した。

 麻生首相はあいさつで、唯一の被爆国として「広島、長崎の悲劇を二度と繰り返さないためにも国際平和の実現に向けて努力する」と述べた。

 国連総会議長として16年ぶりに参列したデスコト議長は「核兵器廃絶に向けて、野心的で現実的な期日を設定する必要がある。広島、長崎市長らとともに、2020年までに核兵器のない世界を実現するという呼びかけを支持する」とあいさつした。

 式典には過去最多の29カ国の大使が参列したが、核保有国ではロシアだけだった。平和市長会議総会に参加している各国の市長も出席した。

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