杉浦の痛めているひざを攻める中邑真輔=大阪府立体育会館で=8日午後7時26分
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悲願の初優勝を目指す中邑真輔(29)がノアからの刺客・杉浦貴(39)を撃破。開幕2連勝を飾った。
これまで毎年のように優勝候補に挙げられながら、涙をのみ続けてきた中邑に、千載一遇のチャンスがやってきた。前日の開幕戦で昨年Vの後藤洋央紀を破り、迎えた相手は今のプロレス界で最も危険な男といわれる杉浦。だが、その難敵を乗り越え、連勝でBブロックのトップに立った。
レスリングで実績を残した猛者同士。中邑は国体出場経験があり、杉浦も五輪を目指した。開始とともに、タックル合戦とバックの取り合い。しかし、10分すぎから両ひざを痛めている杉浦の動きが止まったのを、中邑は見逃さなかった。ジャーマンスープレックスと腕ひしぎで攻め立て、仕上げは今大会の必殺技にすると公言している、助走をつけてのひざげり「ボマイェ」でKOした。
杉浦は今年に入ってから新日本対ノア対抗戦の先鋒(せんぽう)格として暴れ回っているが、中邑はそれがおもしろくないよう。試合後は「なんで(杉浦が)もてはやされてるんだ。新日本がたるんでる証拠だ」と一刀両断。そして最後に「自分がどうしていいか貫けば、優勝がついてくる」と、中邑らしく禅問答のような言葉で締めくくった。 (大西洋和)
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