2009年8月9日11時55分
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【ソウル=稲田清英】リストラに反発する労働組合員の本社工場立てこもりが続いた韓国・双竜自動車が、占拠スト終結を受け、今後2週間以内をメドに生産を再開する見通しになった。だが、ブランドイメージの低下や新車投入のずれ込みなど経営に与えた打撃は大きく、再建が順調に進むかどうかは不透明だ。
双竜は韓国自動車大手5社の中で最下位。昨年の原油高や金融危機をきっかけに、主力のSUV(スポーツ用多目的車)など大型車の販売が急減し、今年1月に経営破綻(はたん)した。日本の会社更生法手続きにあたる法定管理下にある。
占拠スト中の今月2日には労使交渉が決裂して会社清算の懸念が一気に強まったが、労使は6日に一転して整理解雇の規模縮小で合意し、占拠ストは終結。会社清算の危機をとりあえず回避した。
ソウル近郊の平沢市にある本社工場は同社唯一の完成車工場で、生産ラインの点検など操業再開に向けた準備が進む。しかし、占拠ストの傷跡は大きい。会社側によると、約2カ月半続いた立てこもりで約1万4600台が生産できず、その機会損失分だけで約3160億ウォン(約250億円)にのぼる。設備破損などの直接的な被害を含めれば、損失はさらに膨らむという。
販売への影響も深刻だ。政府の減税策を追い風に、6月の韓国自動車市場は前年同月比で5割近く伸びたが、双竜は90%減の197台。7月も98%減の71台と落ち込みが続いている。年内を予定していた新型車の発売も、来年以降にずれ込む見込みだ。
双竜は9月15日までに、人員削減や資産売却、競争力のある新車開発の推進などを柱にした再建計画を裁判所に提出する。自動車業界に詳しい専門家からは「資金力の乏しさや生産性の低さに加え、売れる車種を欠いている」と、再建の厳しさを指摘する声も根強い。