「死人に口なしか!!」
この日、女性の実家近くにある寺で営まれた葬儀に参列した関係者の一人は、「(錠剤は)女性に勧められて飲んだ」という押尾容疑者の供述に対し、強烈な不快感をあらわに、吐き捨てるように言った。続けて「勝手なことばかり言って。弁護士がついているんだろう」と不信感も。
くしくも、この日、女性の知人が日本テレビの取材に対し、「女性から『男性に錠剤を勧められて困っている』との相談を受けていた」と、亡くなる前週に相談されていたことを明かした。この男性が押尾容疑者ならば、供述に矛盾が生じることになる。
この日の葬儀は、両親の「静かに送りたい」という意向で、寺から報道陣を遠ざける厳戒態勢の中、100人以上が参列。参列者によると、着物姿でほほえむ女性の遺影が飾られ、同級生の女性らが涙声で弔辞を読み上げ、焼香では泣き崩れる女性もいたという。
喪主を務めた父親は涙をこらえて気丈に振る舞い、「きょうはありがとうございました」などとあいさつ。一方、母親はぼう然として、言葉にならない様子だったという。親族は女性について「優しくて、親思いで、いい子だった」と振り返った。事件や押尾容疑者の話は一切出ることはなかったという。すでに遺体は、5日の通夜の前に火葬された。
葬儀後、実家では「両親の取材は勘弁してください」と親族の男性が対応。押尾容疑者に対しては「別の世界の人だから」と冷静に振る舞ったが、同容疑者の供述については「(女性が)勧めたと思っている人は誰もいない。でも、そんなことを争っても(女性は)帰ってこないから」と無念さをのぞかせた。
両親は押尾容疑者への恨み言は漏らしていないという。ただ、この親族の男性は「救急車を呼んでくれたら助かったかもしれないとは内心、思っているかもしれないが…」とした上で、「訴えたりしても誰も得をしない。とにかく静かにしてほしい」と呼びかけた。