▽交付金の基金を活用
広島県は、政府の経済危機対策で打ち出された交付金で創設した地域医療再生基金を活用し、医師不足など地域が抱える医療課題の解決を目指す計画作りに着手する。県内七つの二次医療圏から提案を募り、地域医療計画に盛り込む2事業を選定する。
2事業の実施主体となる医療機関などには、国が今後5年間で各30億円を上限に交付する。県は10日、医療関係者たちを集めて計画推進委員会の初会合を開く。
提案は、入院治療を軸に交通や地理的条件で県が設定する「二次医療圏」が単位。救急▽災害▽へき地▽周産期▽小児救急―の5分野と、死因の上位を占めるがん▽糖尿病▽脳卒中▽急性心筋梗塞(こうそく)―の4疾病で、医療機関などが実施する対策が対象とする。各圏域が県に計画案を提出。推進委や県の医療審議会の協議を経て、県が事業を選び、計画をまとめる。
県は、地域の病院が連携し、急性期と回復期の役割分担や専門性の特化を進め、医師、医療スタッフ不足を解消させる事業などを想定。国は、ベッド数の増減など医療機関の大幅再編を伴うケースについては、交付額を全国10カ所に限り100億円に引き上げる。
県は9月までには事業の選定と計画作りを終える予定。厚生労働省は来年1月、交付先を決定する。(高橋清子)
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