2009年5月26日11時39分
JA全農杯チビリンピック小学生8人制サッカー決勝でボールを奪い合う川崎U12とセ大阪U12の選手=5日、横浜・日産スタジアム、JA全農提供
サッカーの小学生の都道府県リーグ(U12リーグ)が今年度から各地で始まった。日本協会はプレー機会が増える8対8の少人数制を推奨する。ただ、8人制はなかなか広がらない。
8人制は欧州や南米でも古くから採用され、子供の技術習得に効果を発揮する。通常のピッチの約半面で行うが、一人一人のボールに触る機会が11人制より格段に増える。
今月上旬に横浜市内であった8人制のJA全農杯チビリンピック全国決勝大会。攻守が目まぐるしく変わるので、選手全員が次のプレーを察知しながら得点を奪い合った。
07年のデータでみると、8人制のチビリンピック準決勝・決勝は、11人制の全日本少年大会準決勝・決勝に比べ、1試合(40分あたり)の1人のシュート数は約4本で3倍。ペナルティーエリア侵入回数も4回強と2倍に上る。ゴール前の攻防が増え、技術や駆け引き、判断力が磨かれやすい環境といえる。
小学校高学年は、即座に技能が習得できる年代。日本協会が「代表が15年に世界のトップ10に入る」と約束した「JFA2005宣言」実現へのロードマップの中でも、U12の年代の8人制普及を前面に打ち出す。
各都道府県協会に最大450万円の補助金を出す新設のU12リーグ戦でも、小野剛・日本協会技術委員長は「いきなり11人制にするとシステムの勝負になってしまう。個の力を鍛えるには、8人制が望ましい」と話す。
だが、実際に行われる試合は11人制ばかり。全国に先駆けて始めた栃木では「全日本少年大会予選を控え、強化にあてたかった」というのが理由だ。徳島では「サッカーは11人という強い抵抗があった。来年は8人制にしたい」。