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テレビはもう死んでいる(その2)― 映像で見慣れた顔ほど魅力的に見えてしまうわれわれの単純な脳と、現代の“退廃貴族”たち

2009年08月07日19時41分 / 提供:ニュースブロガー

ニュースブロガー

なんでも評点

フランス革命前夜の貴族たちは退廃の極みにいた。今の日本にも“貴族”みたいな人たちがいて、退廃を極めている。彼ら・彼女らを束ねてきた大手プロダクションの強力な“隠蔽力”をもってしても、もはやその露呈を食い止めることができないレベルまで退廃が進んでいるようだ。

“彼ら・彼女ら”というのは、テレビで露出の高い芸能人たちのことである(以後、“テレビ芸能人”と呼ぶ)。テレビ芸能人らが現在の貴族のような存在にまで成り上がった背景には、単純明快な「自然科学的原理」が働いているのではないかと筆者は考えている。テレビでの露出が高いということは、それだけ一般人に顔を覚えられていることを意味する。

■ 人間の脳は、見慣れた顔ほど魅力的と判断する

生物学者や心理学者たちに言わせると、われわれ人間は“見慣れた顔”ほど“魅力的”と感じる傾向があるらしいのだ。「よく知っていること」(familiarity)と「魅力」(attractiveness)の相関について述べている論文は英語Web上を検索すると多数見つかる。

たとえば、英国リバプール大学の研究者たちが2005年に発表した実験結果によると、人は“今まで見たこともない誰かの顔”より、“前に見たことがある誰かの顔”を魅力的だと感じる。同大学バイオサイエンス研究科のアンソニー・リトル博士らは、200人以上の被験者を集め、人の顔の画像を見せた。

これらの画像はデジタル加工されたもので、たとえば目と目の間が離れた顔の画像と、目と目の間が狭い顔の画像などが用意されていた。先に目と目の間が離れた顔をたっぷり見せてから、目と目の間が狭い顔との比較を行わせると、被験者たちは一様に目と目の間が離れた顔をより魅力的な顔として選んだ。

このような実験結果から、リトル博士らは「人間の脳は見慣れた顔をより魅力的な顔として選ぶ傾向がある」と結論づけた(reference)。

■ テレビでの露出が高くて顔を視聴者に覚えてもらえれば勝ち

視聴者にとって“見慣れた顔”になったテレビ芸能人たちは、その容姿云々とは別の次元で“魅力的”な存在になる。美男美女である必要なんかない。“容姿に優れないこと”を売りにしている一部の俳優やお笑い芸人ですら、街角や乗り物の中などで一般人から熱い視線を浴びせられる。

傲慢で横柄な印象があるなど、どんなに視聴者に与える第一印象が悪そうな芸能人でも、しつこくテレビに露出し続けることで、その印象がむしろ好ましい個性であるかのように見えてくる。最近のテレビを見ていると、容姿や才能の有無を問わず、もはや誰でもテレビ芸能人になれそうな勢いである。

とにかく露出の高い者が勝つ世界なのだ。それは、上記のような“自然科学的原理”が働いているからにほかならない、というのが筆者の見方である。

ただし、テレビの世界への門戸は狭い。どんなに容姿や才能に恵まれていても、コネやパイプがないとなかなか入れない世界らしい。その反面、芸能人二世や政財界人の子息は簡単にその門の中に入れてもらえる。

テレビ芸能人たちが放つ“魅力”は高いビジネス効果をもたらす。たとえば、うさんくさい商品や会社でも、視聴者にとって見慣れた顔のテレビ芸能人たちがそのCMに出演していれば、もっともらしく見える。テレビで露出の高い歌手の楽曲はCDやダウンロードを通じて、よく売れる。テレビ芸能人が少しでも話題性のある本を出せば、その内容の品質に関係なくベストセラーになる。

最近でこそ、テレビCMを減らしても商品の売り上げに大きな影響が生じず、広告費を節減できたことで逆に純利益が増えたみたいな話も聞かれるが、そもそもテレビは商品の広告媒体として大きな役割を担ってきた。これもまた、われわれはテレビCMで見慣れた商品を魅力的と感じるからにほかならない。

そもそもCMを減らしても売り上げに響かなかったと言われる商品は、ビールや自動車などであり、CMがなくても、われわれにとって馴染みの深いブランドの商品である。これらのブランドがそこまで上り詰めるには、テレビのCMが絶大な効果を発揮してきたに違いない。

■ “革命”はなさそうだが“没落”はすでに始まっている

ともかく、「見慣れた商品や芸能人ほど魅力的」という原理をフルに活用して、テレビは今も日本を支配している。しかし、その反面、テレビ芸能人たちの退廃ぶりは、フランス革命前夜の貴族のごとしである。

“退廃”の具体的内容の最たるものは、薬物である。だいたい、覚醒剤で逮捕された芸能人が数年後に復帰できる仕組みほど、反社会的なものはないだろう。それを堂々とこれまで続けてきたテレビ&芸能業界。(これまた、“覚醒剤で逮捕”などにより大きく取り上げられ視聴者の脳にその顔が強烈に刷り込まれた芸能人は復帰後に売れやすいという原理が働いているからかもしれないが、覚醒剤使用の罪の重さを軽く感じさせかねないことなど、社会的影響を無視したやり方だ)

国民の多くは、テレビで見慣れた顔の芸能人を従来どおり“魅力的”と感じ、今回の押尾・酒井の2事件の裏にあるものをあまり深く知ろうとも思っていないかもしれない。それに反してネットユーザーは、徹底的に暴露して欲しいと感じている人が多数派ではないかと思われる。だが、フランス革命前夜と決定的に異なるのは「革命など起こらない」という点だったりするかもしれない。

今の日本では、「IT」、「流通」、「営業」などの枕詞なしで「革命」という言葉を口にしにくい。しかし、テレビ業界の上層部には、ヘルメットを被って「革命」を連呼する青春時代を送った人たちも紛れ込んでいるという話がある。まあ、「革命」など起こらなくても、「没落」はすでに始まっているらしく、5割を超える減収を報告しているテレビ局もあるようだ。

ただまあ、「見慣れたモノや人ほど魅力的」というごく単純な原理がわれわれを支配しているのだとすると、ネットの世界でもこの原理をフルに活用する試みがなされていいのかもしれない。筆者には、具体的に何をどうすればよいのかが今のところさっぱりわからない。少し考えてみることにする。

本稿は、今年の4月に書いた「テレビはもう死んでいる?」の続編でもある。あの記事にはいろいろと反響があり、首都圏以外の全国で放送されている某番組の関係者からメールが届いたのには驚いた。詳しい話を聞かせて欲しいと返事を出したところスルーされてしまったのは当然か。

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