インドネシアの少数民族、ハングルを公式文字に採択
訓民正音学会と学界が6日に明らかにしたところによると、インドネシアの南東スラウェシ州のバウバウ市(ブトン島)はこのほど、現地の少数民族チアチア族の言語を表記する公式文字としてハングルを導入した。
人口6万人余りのこの民族は、文字を持たないために母語教育を十分行えず、母語喪失の危機にあった。これを知った訓民正音学会関係者がバウバウ市を訪れハングル採択を提案し、昨年7月にハングル普及に関する了解覚書(MOU)が締結され、韓国の学界も教科書を製作した。
ハングルで表記された民族語教科書=6日、ソウル(聯合ニュース) |
先月21日にはチアチア族密集地区の小学生40人余りにハングルで表記され教科書が配布され、週4時間の授業がスタートした。書き方と話し方、読み方から構成されるこの教科書は、すべての文字がハングルで表記されている。民族言語と文化、ブトン島の歴史、社会、地域の説話などで、韓国から伝わる童話も入っている。
市はまた、この地区近くの高校に通う生徒約140人に対し、韓国語の初級教材を用い、韓国語を週8時間ずつ教えている。
市は9月に「ハングルセンタ」ーを着工する一方、ハングルと韓国語の教師を養成しハングル教育を他の地域にも拡大する計画だ。このほか、地域の表示板にローマ字とともにハングルも併記する。ハングルでつづった歴史書や民話集などを発行する取り組みも進める。
教科書編さんを主導したソウル大学言語学科のイ・ホヨン教授は、「ハングルは、文字のない民族がアイデンティティと文化を保存する上で大きく役立つだろう」と期待を示している。
現地学校での授業のようす=6日、ソウル(聯合ニュース) |