間に合った!
いや、間に合ってないのか?
微妙なタイミングです。
新製品、小さなものですが出そうです。
一年ぶりのお祭りに、何もない寂しさに耐えかね、やってしまいました。
MMS3rdSMALLボディ対応のトランスキット「甘夏」
カラーレジン製の顔、髪の毛に、
目と口、眉毛睫毛のカラーシールといういつもの構成で、塗装不要です。
今回はそれに加え、不織布製の半被、半股引、胸当てのお祭り衣装が込みになります。
(色合い的に、半被というよりアロハみたいになっておりますが……)
不織布は切り抜いたのみで縫製していませんし、
数多あるドール服のクオリティに比べればおままごと的な、
非常に簡素なものですが、
のりしろの形に切り抜いた両面テープが付属しており、
道具無しで気軽に組み立てる事が可能です。
ただ、マニュアルを煮詰め切れておらず、わかりやすい、とは言い辛い処もありますので、
出来るだけ早めに(出来れば明日明後日)
組み立て図解をこちらに掲載できれば、と思っております。
真空脱泡成型ですので、各部品はきれいだとは思いますが、
自宅で複製したものですし、不織布の衣装も実験的な要素を孕む、
非常にガレージキット然とした制作工程を辿ったものですので、
その旨ご理解の上、お買い上げいただければ幸いです。
……て、こんな時間にこんな事書いてもなあ。
販売時に説明はさせていただきますです。
この更新をご覧になった方は、あらかじめご理解いただければ。
なぜ突然!?と思われた方も居られると思います。
実際、僕も間に合うと思いませんでした。
ブルーラインが間に合わないと知ったのが月曜の夜、
翌日、何もないところから動き始め、
我ながら馬鹿な事をやっていると思いながら、
今朝になったら100セットのこいつが出来ていました。
なんというか、ガレージキットやってるな、という妙な実感です。
手伝ってくれた友達に感謝です。
さて、明日の朝、生ワンホビが終わるまで戦争です。
多分、例年になくヘロヘロな気もしますが、
模型の学園祭。幕張でお会いできれば幸いです。
正直、今からでも当日何かできないものか、と唸っていますし、
今から16年くらい前の話になります。
当時、越智一裕さんと親交を持たせて頂いており、
仕事場にお邪魔させていただいた事がありました。
しかし途中、越智さんが急用で外出され、
仮宿の仕事場だと言う一軒家で、ボーッとあたりを眺めていた時、
手持ち無沙汰を察してくれたのでしょう。
眼鏡をかけたアニメーターさんが話しかけて下さいました。
「ジュラシックパーク、観た?」
「観ました」
「日本の怪獣映画、どう作ったら面白くできると思う?」
作画机に、「空飛ぶゆうれい船」のゴーレム(海洋堂のソフビ)を乗せ、
お仕事中でお忙しかったであろうに、まだ十代の小僧相手に、
2時間程も相手をしてくれたその方とは、
互いに名乗る事も名乗られる事も無く、
ただ延々と怪獣の話をしていました。
OVA孔雀王(多分「真孔雀王」)の、
天蛇王の作画をされていた事をよく覚えています。
越智さんが戻られ、その場を去る段階となって、
初めて自己紹介をさせていただいた時の衝撃は忘れません。
「浅井真紀と申します」
「あ、かなだといいます」
「かなだ……さん?」
「金田伊功です」
頭が真っ白になりました。
それまで話していた気軽さはどこへやら、
5分ほど、ガッチガチになって、金田氏に如何に影響を受けてきたのか、
作画の違い、という概念を初めて意識しだしたブライガーのオープニングや、
食い入るように何度も何度も見返した、ペジテのガンシップなど。
途端にめんどくさいアニオタの本性を見せた小僧に、苦笑されながら
「描いてる本人はこれが普通だと思ってるから」
以降お会いする機会も無く、
当然、浅井の事など覚えてはおられなかったでしょうが、
僕にとってはささやかな自慢でした。
金田伊功さんのご冥福を、深くお祈りいたします。