2009年8月6日 20時40分 更新:8月6日 23時40分
【ウルムチ(中国新疆ウイグル自治区)鈴木玲子】7月5日の大規模暴動から1カ月が過ぎた中国新疆ウイグル自治区ウルムチでは、破壊された商店などの修復が進む。だが、政府が支給する被害者への補償金を地元当局の役人がピンハネしようとする動きが一部に出ている模様だ。
暴動で店を破壊された社長は「『補償金の一部をよこさなければ、金は一切渡さない』と役人に脅された」と嘆く。上級機関に訴え、ようやく脅しはなくなったというが、「被害だけでも憂うつなのに」とため息をついた。
一方、ウイグル族居住区では事件後、漢族の姿がめっきり消え、住宅を売却する人も出ている。ウイグル族の男性は「近所の漢族が出て行ったまま、家が売り出された」と話す。周囲に何軒もあるという。相場は1平方メートル当たり3000元(約4万2000円)近いが、2000元で売りに出されるケースもある。ウイグル族、漢族双方の間に刻まれた感情の深い溝が今も影を落としている。