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一言メッセージ :風力発電技術の専門家の個人的な思いです

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日本の風力発電

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田原市の大川さんからのコメントに対する質問

大河さん,コメントありがとうございます。
戻ってきていただいたので,疑問点を書いておきます。
ご説明いただけると幸いです。

>2009/7/2(木) 午後 1:44[ tsu*os*i*ooka*a ]
>音源もパワーレベルで100db風車直下も60db程度と
>普通にメーカーが言っていましたが、久美原風力発電施設は
>事業者の想定外の音がしているので、風車直下73dbという
>愛知県の測定結果が出ています。

音響パワーレベルが100dBで点音源であればタワー直近の地上で60dB程度の音圧レベルというのは正確な値とは言えなくとも,おおよその数値としては理解可能な値だと思います。
それに対して73dBという計測値はかなり大きい数字で,個体差というレベルではないように思いますが,これは何をどのようにどのように測った数値でしょうか?例えば,風速○m/sで風車が発電している時のLA_eqである,などの詳しい情報を教えていただけますでしょうか?

>事業者の言う法をクリアしているという言葉は間違いです、
>本当は法律が無いから何をやってもいいという言葉が正しい
>でしょう。

これは間違っています。風車も騒音規制法の対象です。7月始めのNHKの全国放送でも,風車に対して何らの規制もないような説明がなされていましたが,それは事実とは異なっています。

>近隣環境に配慮する事業者に風車を建ててもらいたかったです。

近隣に配慮するのは当然のことです。
それができない事業者がいるのは残念です。

>2009/7/18(土) 午後 8:21[ tsu*os*i*ooka*a ]
>まあ350m離れた2重サッシで対応された室内で、
>160hzの低音が普通マイクで拾えるということが、
>如何に問題か解る方がココにはいないようですね。

すいません,私もマイクロフォンのような音響機材の専門家ではないので,これが如何に問題なのかを詳しく教えていただけますでしょうか?普通に考えると,マイクロフォンや録音機材の性能次第では,かなり小さな音圧でも録音は可能であって,録音できることが健康被害の証明になるような関係性が見いだせません。マイクロフォンで拾えるから耳に聞こえるというのであれば理解しやすいのですが,健康被害となると,騒音計で計測した数値を信頼するのが望ましいと考えてしまいます。


>2009/7/18(土) 午後 9:29[ tsu*os*i*ooka*a ]
>超低周波音被害と低周波音被害は別です。
>超低周波音被害の発信源は私ではありません。
>隣の市の方々です。

大河さんの問題が超低周波音ではなく,可聴域の低周波音であることはよくわかりました。これは通常の騒音問題と何らの違いもないと思いますが,いかがですか?ご存じの通り,ピアノの左端の最低音は27.5Hzで,低周波音の領域に含まれますが,私にはハッキリと聞こえますし,特別な取り扱いが必要だとは思えません。

>あと大手電力業界がこの中途半端な風評被害を野放しに
>しているのは、風車を作りたくないからではないでしょうか?

風評被害と明記していただき感謝いたします。
風車から耳に聞こえない空気振動が発生して健康被害を生じさせる
というのはご指摘の通り,根拠のない風評被害と理解しています。
電力会社は,ほとんどの風力発電事業の直接的な関係者ではないので,
解決に乗り出すなどの立場にはありません。

電力会社の電力網は現在の様態で既に完結しているので,太陽光とか風力のような再生可能エネルギーを自らの意志で積極的に購入するという動機がありません。そもそも電気を売るのが電力会社のビジネスですから,風力に限らず外部から電力を購入するのには,その方が安いからとかいろいろと理由があります。ちなみに中部電力は系統容量に余裕があるので,積極的に風力の電力を購入しているはずです。

>原発の方がどう見ても効率がいい気がすると考えるのはわたしだけでしょうか?

 「効率」が何を指しているのかが不明確ですが,原発には原発なりの利点も問題点もあります。

>電気のいらない夜中も不安定に発電されては困りますよねえ。

 これは原子力発電の課題でもあります。
 発電出力が一定ならば良いというものではありません。
 電力系統では需要(消費量)と供給(発電量)を常にバランスさせる必要があります。需要の側がランダムに変動する以上,発電出力が一定のままでは系統を維持できなくなります。その調整は石油火力やダム式の水力で行っています。
 大河さんがお考えの原子力発電所は出力の細かな調整ができないので,火力などによるバックアップが必ず必要なのです。そのような,調整力を持たないベース電源であるという観点からは,風力も原子力も同じ立場なのです。

>それに今更、化石燃料発電も難しいですよ。

その通りです。
また,原子力発電所も増設しようとしても10年20年という月日が必要です。できる限り再生可能エネルギーも利用することが現実的な解だと思います。

>2009/8/2(日) 午後 10:33[ tsu*os*i*ooka*a ]
>確かにから回し(発電0kw)では、どれだけ風車が高速に
>回転しても体のしびれ等の違和感はありません。

GE風車も含めて通常の風車では,無負荷でロータが高速回転するような危険は状態はあり得ません。YouTubeなどで風車のブレードがタワーに衝突して破壊する動画を見ることができますが,これがまさに無負荷でロータが高速回転している状態です。過大なスラスト力が発生して翼が風下に大きく曲げられるために,タワーに衝突する結果となりました。

大河さんの言う,から回しで風車が高速回転した状態とはどのような運転状態でしょうか?しびれを感じないということですので,実際に体験なさっていると思いますが,理解を助けるために詳しく教えていただけますでしょうか?

以上,読む機会がありましたらよろしくご説明をお願いします。

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今日、日経新聞が低周波音問題で記事を掲載しました。騒音問題は切り捨てられました。残念です。風力発電事業をとん挫させたいのか、低周波音問題で時間稼ぎしたいのか電力業界の考えている事は理解できません。
気が付いたら、質問されているので簡単な所から答えていこうかと思います。
>事業者の言う法をクリアしているという言葉は間違いです、
>本当は法律が無いから何をやってもいいという言葉が正しい
>でしょう。

残念なことに風車は騒音規制法の特定施設を含みません。よって規制対象外です。経済産業省電力安全課に規制できる物が本当にあるのかと質問した結果、2400kwの風車が唯一規制対象のようです。
三菱でしょうか?日本では規制の無い所しか建てれません。
環境基準についても罰則規定がないから行政指導できないと田原市が言いました。ただの環境行政の努力目標値だと言いきっています。
よってほぼ無法野放しです。

2009/8/3(月) 午後 10:13 [ tsu*os*i*ooka*a ]

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>2009/8/2(日) 午後 10:33[ tsu*os*i*ooka*a ]
>確かにから回し(発電0kw)では、どれだけ風車が高速に
>回転しても体のしびれ等の違和感はありません。
これは酷い説明でした。負荷は掛かっています。通常の回転で発電だけしていない状態です。
この状態は、僕が問題にしている空気振動は発生していません。が翼の回転による空気をかき混ぜるような違和感は風車直下では感じます。船酔いするような感じです。風車直下は危険です。

2009/8/3(月) 午後 10:14 [ tsu*os*i*ooka*a ]

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あと大手電力業界がこの中途半端な風評被害を野放しに
>しているのは、風車を作りたくないからではないでしょうか?
今日の日経新聞の記事で中部電力のコメントが朝日新聞に次いで2度出ました。中電が訂正させると言っていたコメントが再度出たという事は・・・公式コメントは低周波音問題?
こちらが裏情報。
僕も中電も、音についてはメーカー差も大きいですが、個体差による当たり外れがある事は1年以上前に確認済みです。ハズレを引かない自信が中電にできたのでしょうか。1本1本手作りなので、メーカーの製造段階に介入して迷惑をかけない風車だけを作らせるとは言っていましたが。
僕の言う風評被害は、原因が特定されないままに全ての風車が超低周波音の被害を与えるという事で、悪い物が間違いなく混ざっているという事実は伝えていきます。

2009/8/3(月) 午後 11:04 [ tsu*os*i*ooka*a ]

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参考
マスコミの報道等があると、ほとぼりが冷めるまで?昼間は低稼働ないしから回し状態が続きます。夜間は見学者が来ないという事かしっかり発電します。昼間の小細工?した低稼働時がこの風車の音だと勘違いしないように情報を送ります。

2009/8/4(火) 午後 2:32 [ tsu*os*i*ooka*a ]

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例えば,風速○m/sで風車が発電している時のLA_eqである,などの詳しい情報を教えていただけますでしょうか?

評価方法が報告書に記載がなかった為、愛知県に確認しました。L5で73dbという事です。元データも廃棄され、データとしてもどの状態からの100個のうちの5番目に大きい数字か分かりません。
風速はナセル風速計で8、2〜9、1mです。
地上10mではもう少し弱いはず、最大騒音が出る手前ぐらいでしょうか?
参考までにもう1つ出ている58dbのデータだと55〜62db程度の幅なのでそれほど変動する騒音ではないようです。
いずれにせよ欠陥品と言わざるを得ない数値が愛知県により計測されています。
GEの認識では仕様の範囲内だそうです。

2009/8/5(水) 午後 2:23 [ tsu*os*i*ooka*a ]

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NEDOの「風力発電のための環境影響評価マニュアル(第2版)(http://www.tech.nedo.go.jp/PDF/100008695.pdf)」のp31式3.1と3.2へ、次の条件を入れると騒音の予測値が求まります。

発電機:GE1.5s×1基 ハブ高:65m 受音点までの水平距離:350m
パワーレベル:データを持ってないのでナセル高風速9m/sで100dB程度と想定(最大でも105dB程度でしょう)

予測値は約39dB(A)(LAeq)です。愛知県の実測結果、73dB(L5)は異常値です。L5(上端値)ですから風車音以外の音(風雑音など)の影響をかなり受けているはず。
73dBのほとんどが風車の音であり測定結果が正しければ、久美原の風車は異常な風車です。 削除

2009/8/6(木) 午前 1:25 [ 勉強中 ]

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勉強中さん,コメントありがとうございます。

大河さんからは「風車直下73db」と情報をいただいています。
350mの距離ではありません。またGEでは音響パワーレベルとして104dBAという数字を使っているようです。

NEDOのマニュアルでは風車からある程度離れた場所を想定しており,音が伝搬する空間は半自由空間(半球)として地面の影響を考慮しています。「風車真下」では,全球状の空間だと考えられるので,その場所(ナセルの真下と仮定)での音圧レベルは,

Lr = 104−20×log_10(65)−11 ≒ 57[dBA]

と推定されますが(空気減衰は無視),これが「等価騒音レベル(L_Aeq)」であることに注意が必要です。愛知県が示しているL_A5(A特性?)は時間率騒音レベルで,観測時間の5%がこのレベルを超えることを意味しています。

2009/8/6(木) 午後 8:22 [ wei*_j* ]

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騒音レベルの変動が大きければ,L_Aeq<L_A5となることは当然とも言え,L_A5=73dBAであったとしても,上記の計算値であるL_Aeq=57dBAというカタログ値を満足している可能性も否定できません。

この辺りは大河さんが計測データを元に詳しく説明してくれると思います。

2009/8/6(木) 午後 8:26 [ wei*_j* ]

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tsu*os*i*ooka*aさん,

>>確かにから回し(発電0kw)では、どれだけ風車が高速に
>>回転しても体のしびれ等の違和感はありません。
>これは酷い説明でした。負荷は掛かっています。通常の回転で
>発電だけしていない状態です。

風力発電機の場合,負荷がかかっているとは発電していることを意味します。発電していないのであれば,機械に疲労荷重がかかるだけなのでロータを回転させることはしません。

「通常の回転で発電だけしていない状態」というのは,どのような運転状態なのか想像がつかないので,もう少し詳しく解説していただけますでしょうか?

2009/8/6(木) 午後 8:33 [ wei*_j* ]

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tsu*os*i*ooka*aさん,

>マスコミの報道等があると、ほとぼりが冷めるまで?
>昼間は低稼働ないしから回し状態が続きます。夜間は
>見学者が来ないという事かしっかり発電します。昼間
>の小細工?した低稼働時がこの風車の音だと勘違い
>しないように情報を送ります。

とのことですが,このような特殊な運転モードに入っていることはどのように確認されたのでしょうか?また,報道前後の騒音レベルを計測するなどして事実による裏付けができていますか?

2009/8/6(木) 午後 8:38 [ wei*_j* ]

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