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【裁判員 判決】“重い”判決にプロは「市民感覚」「被害者心情に傾斜」
このニュースのトピックス:裁判員制度
初めて一般人が参加した裁判員裁判の判決は、求刑の懲役16年に対し、“満額”に近い懲役15年だった。一般的な判決では「求刑の8割程度。今回は12〜13年」(法曹関係者)だという。元検察幹部や弁護士など裁判のプロは、この判決について「市民感覚を反映」と評価する半面、「被害者側の心情に傾いたのか」と推測する声もあった。
「これまでの相場観に縛られていない」。元検事総長の但木敬一氏は厳しい判決について、こう評した。
「裁判員が法廷で直接、遺族の気持ちを聞き、被告の態度を見て、その生活感覚から率直に判断した結果だろう。事件の個性に応じて市民感覚を素直に反映しており、非常に新鮮な感覚だった」
さらに、検察側の求刑について、「これまではプロとしての客観的な相場で決めてきたが、これからは事件の個性を重視し、個別に決めていかなければならなくなるだろう」と“古巣”に注文をつけた。
一方、弁護士で慶応大教授(刑事訴訟法)の安冨潔氏は「これまでの刑事裁判に比べれば重いというイメージがあるが、裁判員裁判ではこれくらいかな、という予想はしていた。一般人である裁判員は、どうしても被害者の側に心情が傾きがちだ」と説明する。
その上で「今回は被告が犯行を認めている。理由がどうあろうと事実は変わらないため、被告が裁判員の同情を引くことは難しい。弁護戦略は難しくなるかもしれない」と述べた。
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