2008-09-30
神奈川県理科部会報2002年、No46(高校物理における課題発見学習)
「生徒の自身の理解度を把握するのに、『生徒自身によるテスト問題作成』という課題がある。物理学や数学の場合、正解を導くには、解法に必要な条件を問題中に書き記しておかなければならない。よい問題を作れるほどに、それだけ良く理解ができていることになる」そうである。
たとえば
「ニュートンリングの干渉条件に関する問題を作り、解け」という問題を考える。
ある生徒は、次のような問題を作った。
「平板ガラス上面で光波は位相がπずれて反射するが、
どうして位相がπだけずれるのか、その理由を述べなさい。」
この問題の解答は、
「
まずは
入射波を yi=Asin(kx−ωt+δ)
反射波を yr=Asin(−kx+φ) φ:未知
としよう。
( )の部分を位相という。
ここでφはφ(t,ω,δ)である。
さて x=X が固定端の位置である。
ここでは時刻にかかわらず常に合成波の変位yはゼロであるから
y=yi+yr
=A{sin(kX−ωt+δ)+sin(−kX+φ)} = 0
加法定理より
2sin{(φ−ωt+δ)/2}cos{(2kX−ωt+δ−φ)/2}=0
この等式は特定のXに依存しないのでsinの値がゼロとなる。
(φ−ωt+δ)/2 = nπ n=0,±1,±2,・・
φ=2nπ+ωt−δ
ゆえに yr=Asin(−kx+2nπ+ωt−δ)
=Asin(−kx+ωt−δ)
=−Asin(kx−ωt+δ)
=Asin(kx−ωt+δ+π)
つまり反射波の位相は入射波の位相とπ[rad]ずれることが解った。
※ 公式 sin(θ+π)=−sin(θ)」
である