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【断層】大月隆寛 総選挙のポイントは?
このニュースのトピックス:自民党
「解散、総選挙」がようやく現実のものになりました。衆院選の意外に見落とされているポイントをふたつ。まず、平成生まれが初めて選挙権を行使し得る選挙であること。もうひとつは、ブロードバンド環境が普及して以降の「民意」を、全国規模の「政治」のステージで計測する事実上初めての機会ということ。そのココロは、「戦後」が本当に終わっていたことが「政治」の水準においても、あっけらかんと示されてしまうかもしれない、ということです。
自民党は先の都議選でもあのていたらくで、党の選対本部でさえすでに迷走状態、制御不能らしいことがあらわに。その他、これまでの「政治」の常識では予測できない事態が多々起こり始めていることは、まあ、素朴に察知できます。なのに、既存のメディアを介して流されるそれら「政治」のもの言いは、いまだ与党と野党、保守と革新・リベラル、権力は常に悪で政権交代こそが正義、そんな図式でしかない。そんなもの、民俗学者からすれば、ほぼ都市伝説みたいな代物になっています。
なればこそ、同時代の〈リアル〉に復讐(ふくしゅう)されて初めて、都市伝説と化した「政治」もまた新たな、役に立つもの言いを獲得してゆくことができるというもの。「気分」や「浮動票」といった言い方で残余として扱われていた領分が、実は「政治」のあり方をすでに変えていたのかもしれない、そんな気づき方、悟り方の契機になるならば、政権交代とそれに伴う政界の混乱や再編の動きもまた、明日の「良き選挙民」を鍛えてゆく良い試練になるはずです。(札幌国際大学教授)
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