2009年8月6日 18時58分更新
広島に原爆が投下されてから64年となる「原爆の日」の6日、県内の各地で原爆で亡くなった人たちを追悼する式典が行われました。
このうち岡山市中区では、原爆で亡くなった人たちを供養する塔の前で、岡山市内に住む被爆者や遺族など、およそ30人が出席して追悼式が行われました。
式では出席者全員が原爆が投下された時刻の午前8時15分に、ラジオから流れる広島の平和の鐘の音に耳を傾けながら黙とうを捧げました。
そして、岡山市原爆被爆者会の平末豊会長が「新たに9人の会員が眠ることになってしまいました。原爆の犠牲者の上に今の日本の復興があるということを忘れずに平和への祈りを捧げたい」と追悼のことばを述べました。
供養塔には昨年度、岡山市で亡くなった被爆者9人を含む621人の原爆死没者名簿が供えられていて、出席者1人1人が静かに花を手向けて、平和への誓いを新たにしていました。
22歳の時に広島で被爆し、母親を亡くしたという早川耐子さん(86)は「もう86歳ですし、ここに来られるのはことしが最後だと思うと涙がでてしまいました。核兵器のない世界を実現して欲しいと思います」と話していました。
また、津山市では、原爆慰霊碑のある神楽尾公園で、原爆で亡くなった人たちを追悼し平和を祈る催しが行われました。
この催しは、岡山県被爆者会津山支部が広島に原爆が投下された時刻に合わせて、県北部の原爆犠牲者名簿が納められている津山市の原爆慰霊碑の前で毎年、開いているものです。
6日は、津山市など県北部に住む被爆者や遺族など、およそ30人が参列して、広島市で行われた平和祈念式典のラジオの中継に合わせて、全員で黙とうしました。
そして、慰霊碑に焼香して原爆亡くなった人たちを追悼し、平和への誓いを新たにしていました。
参列した被爆者の男性は、「原爆は2度と使わないようにしてもらいたい。アメリカのオバマ大統領には核廃絶に向けて全力を挙げてもらいたい。」と話していました。
また、遺族の女性は、「被爆した父は、去年、亡くなりましたが、核兵器のない平和な世界を願っていたのでそれが実現するよう祈るために来ました。」と話していました。