伊勢神宮(三重県伊勢市)に縁の深い国宝、重要文化財などを数多く展示し、東京国立博物館(東京・上野公園)で開催中の「伊勢神宮と神々の美術」展で、雨宝童子(うほうどうじ)立像(りゅうぞう)が、ひときわ存在感を示している。
神宮の鬼門を守る金剛証寺(こんごうしょうじ)に伝わる神像で、天長2(825)年、伊勢に赴いた空海が内宮の祭神、天照大神(おまてらすおおみかみ)の託宣を受けて作ったとされる。日本古来の神の本質は仏教の仏であるとする考えに基づき、天照大神が大日如来(だいにちにょらい)の化身として16歳の姿で降り立った様子を表している。