長崎放送局

2009年8月6日 20時21分更新

被爆者は怒りと失望


麻生総理大臣が広島市で行った記者会見で、アメリカの『核の傘』が必要だという認識を示したことについて、長崎の被爆者からは批判する声が相次ぎました。

 このうち、長崎原爆被災者協議会の谷口稜曄会長は、「アメリカでオバマ大統領が誕生し、核兵器廃絶への機運と期待が高まっている時に、被爆国の総理大臣が流れに逆行する発言をしたことは理解できず、強く抗議したい。核兵器と人類は共存できず、そのような考えで長崎の式典には来るなと言いたい」と述べて、麻生総理の発言を批判しました。
 また、長崎県被爆者手帳友愛会の中島正徳会長は、「式典では、『核兵器の廃絶を目指す』といいことを言って、会見ではまったく違う内容を言った。8月6日に広島でする発言とは思えず、被爆者をバカにしている。撤回を求めたい」と話しました。
 また、長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会の川野浩一議長は、「長崎原爆の日に麻生総理大臣と被爆者5団体が会うことになっているが、このまま会っていいのかどうか、ほかの被爆者団体と相談したい。会う場合には、どちらが本心なのか聞いて、アメリカの核の傘が必要だという発言の撤回を求めたい」と話しています。