菊池「運命」なのか!初戦は長崎日大 

 対戦が決まり、拳を合わせて不敵な笑みを浮かべる花巻東・菊池(左)と長崎日大・大瀬良
 対戦が決まり、拳を合わせて不敵な笑みを浮かべる花巻東・菊池(左)と長崎日大・大瀬良

 「高校野球組み合わせ抽選会」(5日、大阪国際会議場)

 8日に開幕する第91回全国高校野球選手権大会(15日間・甲子園)の組み合わせ抽選会が5日、大阪市内の大阪国際会議場で行われた。阪神が今秋のドラフト1位指名を決めている菊池雄星投手(3年)を擁する花巻東(岩手)は1回戦で長崎日大(長崎)と対戦。センバツ決勝で敗れた清峰と同じ、因縁の長崎県勢との対決を制し、悲願の日本一を目指す。龍谷大平安(京都)と中京大中京(愛知)の古豪対決も決まった。

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 緊張で胸が締め付けられた。花巻東・菊池雄は抽選会で、右隣に座った横倉と左隣の猿川の手を無意識に握り締めた。対戦相手が長崎日大に決まると、少しだけ気持ちが楽になった。「試合では緊張しないんですが、きょうは生まれて一番緊張したかもしれません」と胸の内を明かした。

 因縁の対決となった。センバツ決勝では同じく長崎代表の清峰・今村と投げ合い、0-1で惜敗した。試合後、人目をはばからず悔し涙を流した。今回はその清峰を長崎大会・準々決勝で破った長崎日大と、いきなりぶつかるのだ。

 「長崎と当たるのは運命なのかもしれません。清峰を倒したので強烈なイメージがあります。今村君を打ってきたチームだし、手ごわいと思います」。相手のエース、145キロ右腕の大瀬良については「140キロを超えるボールを投げると聞いてますし、身長(186センチ)も高いので今村君と同じようなタイプなのかも」と警戒した。

 この日は練習が休み。抽選前の自由時間を利用して神戸市内にショッピングへ出掛け、量販店でデジタルカメラを購入した。「自分たちのメモリーを撮りたい。たくさんメモリーが増えるといいですね」。悲願の日本一を達成して、誰よりも長く最高の夏をカメラに収めるつもりだ。

 対戦相手が決まり、気持ちは戦闘モードに切り替わった。「これから(相手の)ビデオを見てイメージを膨らませたい。先のことは考えずに、とにかく初戦に集中したい。春より成長した姿を見せたい」。運命的な組み合わせは望むところ。一回り大きくなったみちのくの怪腕が、いよいよベールを脱ぐ。

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