合成麻薬MDMAを使用したとして逮捕された俳優・押尾学容疑者(31)に、複数の“別宅”があったことが4日、分かった。警視庁麻布署はこの日、女性の全裸変死体が発見された部屋を現場検証した上、別に神奈川県内の自宅など関連する3軒のマンションの1室を家宅捜索した。押尾容疑者は身柄を麻布署から三田署に移され取り調べを受けたが依然、「違法なものだとは思わなかった」と話しているという。
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深夜に幕を開けた衝撃の逮捕劇から一夜明けた4日、押尾容疑者が六本木ヒルズなどの高級マンションに複数の“別宅”をもっている事実が浮き彫りになった。
麻布署はこの日、神奈川県内にある押尾容疑者の自宅、飲食店勤務の30代女性の全裸変死体が発見された部屋とは別の東京・六本木ヒルズ内の部屋、そして港区内にあるマンションの1室の計3軒を、供述などを元に家宅捜索した。
変死事件があった部屋を含めれば、自宅だけではなく3軒もの“別宅”があった押尾容疑者。最低でも家賃50万円と言われる六本木ヒルズの住居棟でいくつもの部屋を使い、一体何をしていたのか-。
ヒルズ周辺の六本木の飲食店では以前から押尾容疑者が頻繁に目撃されており、六本木を拠点に生活していたとの情報もある。「自宅マンションと、行ったり来たりしていた」という関係者もおり、妻・矢田とは事実上の別居状態だった。
この日は自宅とヒルズの部屋に、5人ほどの捜査員が入り、午後4時前後から約1時間にわたり家宅捜査が行われた。捜査員たちは手ぶらのまま退出するなど「事件の進展において、めぼしいものは見つからなかった」(同署)というが、ヒルズの部屋で何が行われていたのかは捜査員の関心をひいている。
また変死事件のあった別の1室では、現場検証が行われた。亡くなっていたのは30代の飲食店の従業員の女性だったことも判明。麻布署は現在、死亡した女性を病理検査中で、死因や事件性の有無を調べている。
六本木ヒルズの住宅棟Bは最盛期には“ヒルズ族”と呼ばれるIT社長らが続々入居、芸能人やモデルたちによる連夜のパーティーが報じられた場所だけに、複数の“別宅”は押尾容疑者の浮き世離れした生活ぶりをうかがわせる。マンションの防犯カメラには押尾容疑者と死亡女性が入室していく様子が映されていたこともわかった。
押尾容疑者は5日午前に三田署から送検される見込み。