“耳かきストーカー”殺人　事件の３日前に休暇届

　東京都港区の民家で鈴木芳江さん（７８）が刺殺され、同居の孫で耳かき店従業員江尻美保さん（２１）も重体となった事件で、耳かき店の客で配電関係会社社員林貢二容疑者（４１）＝殺人未遂容疑で現行犯逮捕＝が、事件の３日前に休暇届を出し、当日は会社を休んでいたことが５日、捜査関係者への取材で分かった。

　捜査関係者によると、林容疑者は１日にも江尻さんに会いに自宅へ行ったが会えなかった。「３日朝、江尻さんを殺すしかないと思った」と供述しており、警視庁愛宕署は林容疑者が殺害を決意した経緯を調べている。同署は５日、林容疑者の千葉市美浜区の自宅や勤務先を家宅捜索した。

　林容疑者はほぼ毎週末、耳かき店に通っていた。「江尻さんに個室で耳かきされると心が癒やされた。千葉から通いこんなに尽くしているのに、冷たくされ憎しみを抱いた」と供述している。

　林容疑者が勤務する千葉県鎌ケ谷市の配電関係会社によると、林容疑者は勤続２０年で、配電の設計を担当。本年度に入って平日は休むことはなかったが、７月３１日、上司に事件当日の８月３日の休暇を申請した。同社幹部は「耳かき店に通っていたとは知らなかった。勤務態度はまじめで驚いている」と話した。 （共同）

[ 2009年08月05日 13:16 ]