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DPC分類の点数設定、来年度に新方式へ−中医協小委が了承

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 中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬基本問題小委員会(委員長=遠藤久夫委員・学習院大経済学部教授)は8月5日、DPC分類の点数設定の見直し案を了承した。入院初期の医療資源の投入量が出来高平均に比べて「非常に大きい」場合、入院期間Tの点数を「1日当たりの医療資源の平均投入量」にするなどの内容。医療資源の投入量との乖離(かいり)が「非常に大きい」かどうかなどの判断基準は今後、詰める。来年度から新しい方式に切り替える。

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 DPC対象病院の包括評価点数は現在、診断群分類ごとの平均在院期間(「入院期間T−V」)に応じて3段階で設定されている。「入院期間T」には、各分類の入院日数の25パーセンタイル値が用いられ、この期間の点数は「診断群分類ごとの1日当たり平均点数」に15%を加算して算出する。また、入院期間Uは「入院期間Tの最終日から、分類ごとの平均在院日数まで」で、この期間に入院期間Tの上乗せした分を差し引く仕組み。
 このほか、悪性腫瘍の化学療法の短期入院などについては、入院期間Tを5パーセンタイル値にまで短縮し、25パーセンタイル値までの点数を上乗せしている。

 入院初期の点数を高くするとともに、入院の長期化を防ぐ狙いだが、現在の診断群分類点数表では、入院初期の包括評価点数が出来高を大幅に下回ったり、安定期には逆に出来高を上回ったりするケースがある。こうした乖離(かいり)は、現在は医療機関ごとの調整係数で補正されているが、係数が来年度から段階的に廃止されることが決まったため、DPC評価分科会で対応を協議。7月24日に対応案がまとまった。

 分科会による対応案によると、新方式への切り替え後は、診断群分類ごとの入院期間Tの点数設定を、▽入院初期の医療資源の投入量が出来高平均に比べて「非常に大きい」場合は、入院期間Tの点数を診断群分類ごとの「1日当たりの医療資源の平均投入量」により設定する▽入院初期の医療資源の投入量が出来高平均を下回る場合には、入院期間Tの上乗せ分を現在の15%から10%に引き下げる一方、入院期間U以降の差し引き分を少なくする▽これら以外のケースでは、現在の方法で点数表を設定する―の3通りにする。

 厚労省は、新方式への切り替え後も、全分類の8割程度は現在の点数設定でカバーできるとの見通しを示した。
 また、悪性腫瘍の化学療法による短期入院などに適用している5パーセンタイル値の設定については、廃止を明言した。

 対馬忠明委員(健保連専務理事)は「差が大きいかどうかをどう決めるのか」と述べ、どの方式で点数設定するのかを判断する基準が必要だと指摘した。また、「現在、5パーセンタイル値を適用している分類がどれだけあり、新方式でどう変わるのかを示していただきたい」と求めた。
 遠藤委員長は「現状の割合は分かるが、今後どう変わるかは、基準を決めないと分からない」と述べ、中医協で基準を検討する必要があるとの認識を示した。
 基準について厚労省は、「今後、検討する」としている。


更新:2009/08/05 20:50   キャリアブレイン

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