2009年 07月 26日
考察⑧ トムラウシ山と美瑛岳の二つの山岳遭難事故に対する初期の捜索救助活動を比較してみます。 美瑛岳 ※fusako@管理栄養士さまご提供の情報によりますと・・読売新聞北海道版 7月18日朝刊では 「緊迫の無線」 「すでに日没を迎え、通常なら捜索は困難だったが、救助隊は低体温症の遭難者がいることを重視。 「迅速な対応が必要」と入山を決め、午後9時20分頃、登山口を出発し、ヘッドライトを照らしながら、遭難現場に向かった。」 「避難小屋から南西に約1・5キロ離れた山道では男女3人がピバーグしており、救助隊は「早く救助しないと彼らも危ない」と現場に急行。うち男女2人は手足が震え、衰弱して歩けない状態だったが、隊員らは到着後「もう大丈夫だ」と励まし、テントを設営して夜明けまで保護したという。 とあるそうです。 これは、次の記事を裏打ちするものでしょう。 一方、美瑛岳で遭難したのは、兵庫県などの男女6人の登山パーティー。16日午後5時50分ごろに、「女性1人が寒さで動けなくなった」と、茨城県のツアー会社を通じて、119番通報があった。道警山岳救助隊ら12人が同日夜、救助に向かい、17日未明に同岳近くの美瑛富士避難小屋と山頂付近に別れていた6人と相次いで合流したが、このうち兵庫県姫路市の尾上敦子さん(64)の死亡が確認された。また、低体温症の2人を含む5人は命に別条はないという。 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/177689.html このように美瑛岳では、道警山岳救助隊による夜間捜索救助活動がなされたようです。 白金温泉の美瑛富士避難小屋登山口から2時間45分(標準コースタイム)で避難小屋に着くようですので、捜索救助隊は、おそらくこの登山口からアプローチをしたものと考えられます。 http://www.ne.jp/asahi/slowly-hike/daisetsuzan/02taisetudata/11tozanguchi/09shiroganeonsen.html __________________________________________________________________ 一方、 トムラウシ山では・・ 同6時ごろ 新得署員3人が同山短縮登山口に車両2台で到着 同8時半ごろ 男性2人、女性3人のグループから新得署に携帯電話で連絡。女性1人が意識不明で、近くに別に倒れている生死不明の男性を目撃したとの内容 同10時ごろ グループから予定されていた携帯電話の連絡時間。連絡はなし 同10時15分 救急車が短縮登山口に到着 同11時すぎ 新得署に連絡があった携帯電話に電話するも不通 http://www.tokachi.co.jp/news/200907/20090717-0002084.php 17日未明から陸上自衛隊も加わり、道警も本格的に捜索開始 陸自 地上部隊40名 飛行部隊 2機 3.防衛省・自衛隊の対応 (1)派遣部隊 陸 自 第5戦車隊(鹿追)、第5飛行隊(帯広) (2)派遣規模 人 員 約40名 車 両 5両 航空機 2機 http://www.mod.go.jp/j/news/2009/07/17c.html ※16日午後6時に短縮登山口に3名の新得署員を向かわせ、さらに10時に救急車も向かわせたものの、こちらでは夜間捜索活動はなされなかったようです。 この点について ※fusako@管理栄養士 さまが読売新聞に問い合わせて確認された情報によりますと、トムラウシ山には捜索が入れなかった。 トムラウシ山は、天候が悪くて捜索隊は実は引き返したとのこと。 だそうです。 標準コースタイムでは3時間15分で前トム平らに、4時間45分で南沼キャンプ地に到着できるようです。 http://www.ne.jp/asahi/slowly-hike/daisetsuzan/02taisetudata/11tozanguchi/01tomuraushi.html もちろん、厳しく訓練されている山岳救助隊の隊員なら、時間的にはもっと早く現場に到着できたことでしょう。 山岳救助隊でさえも行動を差し控えた当日の悪天候が、夜間に多くの被救難者の命を奪う結果となり、今回の不幸な結末をもたらしたものと推察されます。 8人の死亡推定時刻は17日未明で、下山途中の雨と強風により、体の中枢温度が35度以下になる低体温症を発症、凍死したとみられる。 http://www.hokkaido-nl.jp/detail.cgi?id=1213 また、16日夕方には美栄瑛岳と、トムラウシ山の二箇所で山岳遭難が同時に発生したので、限られた人員と装備しか持たない北海道警察山岳救助隊の対応も極めて難しかったものと考えられます。山岳救助隊隊長も大変なご苦労をされたものと推察されます。 by segl | 2009-07-26 11:41 | Ⅶ 省察
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Ⅰ 奥秩父の山々
牛王院平 唐松尾山 西御殿岩 2006年 3月4日 笠取山 石保戸山、斉木林道(笠取林道) モリ尾根 斉木林道(笠取林道)、白沢峠 R411 花魁淵の岩崩れ 一之瀬周回ルート 藤尾山 一之瀬高橋 雲取山 和名倉山 山梨 倉掛山(鞍掛山) Ⅱ 奥秩父の渓谷 龍喰谷 大常木谷 Ⅲ 奥多摩の山々 高水山の紅葉 金比羅尾根 神戸岩 北秋川遍路 散策 戸倉、十里木、星竹 「市道」山を考える 茅倉尾根の山々 タルクボの峰 六つ石山から甲斐駒が岳遠望 御岳山~琴沢尾根 惣角澤、御前山第Ⅰ~Ⅲ尾根 県界尾根 大岳山をめぐる尾根と澤 築瀬尾根、阻場沢林道 赤井沢支流日陰沢(クドレ沢) 戸倉 穴の谷(アナノヤツ) 鈴ヶ尾澤遡行~障子岩沢下降 障子岩沢 菖蒲口(盆堀川、千ヶ澤出合い) 松株澤から刈寄山 滑入澤遡行、石津窪下降 刈寄澤、無名滝 光明山東尾根ルート 小坂志 漆ヶ谷 養沢、御岳山 馬頭刈尾根 小怒田尾根 日の出山 市道山の登路 半兵衛窪 大嶽山 白倉ルート 南秋川 矢沢林道 通矢尾根 サルギ尾根 Ⅳ ヴァリエーションルート ヴァリエーションルート論考 ヴァリエーションルート11選 Ⅴ 登山の方法論 歩き方(運歩法) トレイルランニング 歩荷トレーニング Ⅵ あとがき Ⅶ 省察 Ⅷ 大菩薩連嶺 Ⅸ 日本山岳耐久レース Ⅹ LINK ⅩⅠ 丹沢 ⅩⅡ ZARD ⅩⅢ 瀧川渓谷 ⅩⅣ 回帰点 ⅩⅤ Aphorism ⅩⅥ musik ⅩⅦ Chihiro Onitsuka ⅩⅧ 天王岩 ⅩⅨ はじめに エキサイトブログ
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