運営のＮＰＯ法人「放送資料の提供難しい」…ワッハ上方移転問題

　大阪府が府立上方演芸資料館（ワッハ上方）の通天閣への移転方針を決めたことについて、同館を運営する「ニューウエーブ大阪」の西村嘉郎理事長が４日、記者会見し「移転案では条件や環境が不十分。放送局側から継続して映像資料などを提供することは難しい」との見解を示した。

　会見には、副理事長の山本雅弘毎日放送会長、伊東雄三ワッハ上方館長も出席、府に資料管理などに関する五つの問題点を挙げる意見書を７月２０日付で提出したことを明らかにした。

　ニューウエーブ大阪は特定非営利活動法人（ＮＰＯ法人）。８月３日に緊急理事会を開催し、大阪府から「映像資料の継続提供をお願いしたい」との意向を示されたという。ニューウエーブ大阪側は「著作権への認識が甘く、放送資料の適正な管理や運営ができるのか不安が残る。引き続き協議し、秋までには結論を出したい」としている。

　ニューウエーブ大阪は、ワッハ上方に映像や音声の資料を提供する在阪民放６局の社長らが理事を務めている。西村理事長は朝日放送特別顧問。

　大阪府は７月２３日、財政上の理由からワッハ上方の通天閣への移転方針を決定している。

　橋下徹大阪府知事「（運営団体が映像資料を引き揚げる可能性について）しょうがないのではないか。僕がいろんなものを整理、統合してきた中で『ワッハ上方だけが神聖不可侵だ』というのはあり得ない。言えば言うほど、国民からそっぽを向かれるのでは」