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バブルという物語
- アラン・グリーンスパン
- FRB
- フィル・グラム上院議員(金融規制を緩和した)
- 格付け会社
- SEC
これは行動経済学でいうフレーミングの典型だ。そもそも米国債と同じ格付けで、その何倍もの金利がつくというのがおかしいのだが、投資銀行が「最新の金融技術を使えばリターンを下げないでリスクをなくせる」とか何とかいう物語をつくり、複雑な目論見書を見せると、中身のわからない投資家はそれを信じてしまう。いったんこの物語を信じると、値下がりしたら逆に「買いのチャンスだ」と思い込み、農林中金はサブプライム危機が表面化してから証券化商品への投資を拡大した。
グリーンスパンに責任があることは疑いないが、単なる資金過剰だけではバブルは生まれない。日本の80年代には、経済の「ストック化」で日本はもっと豊かになるので、地価も株価もまだ低すぎる、という「計量研究」を発表した経済学者がいた。ITバブルのときは「ITによって在庫は瞬時に調整されるので、景気循環の消滅する『ニューエコノミー』が到来した」とBusinessWeekがキャンペーンを張り、それを批判する経済学者は「新しいパラダイムを理解できないのだ」と嘲笑した。
バブルには、このようにそれを正当化する物語が必ずついているので、それを予知することはむずかしい。PERやPBRなどの指標は、将来の成長を過大評価すれば何とでも理屈がつくので、基準にならない。それより農林中金のようにすべてをいい方に解釈して悪い話を聞かない認知的ゆがみがバブルの典型的な徴候だ、と本書はいう。BISがバブルを識別する基準を策定中とのことだが、それには経済学よりも認知科学のほうが役に立つのではないか。
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極端な例を挙げれば、国債の金利が20%まで跳ね上がり、時価が大幅に下落、評価損を大量に計上し、過小資本になったという感じかもしれません。元本の毀損の恐れがなく将来的な負債の返済に問題がなくても評価損でやられる時はやられるというのが難しいところだと思います。農林中金は証券化商品の信用力の分析と価格が割安になったことに目が行き、時価の変動幅を見誤り、増資を余儀なくされたのだと思います。
後、「AAAならOKという単純な基準で投資していた」投資家が多かったのは事実ですが、「定量的な基準もなく」というのは事実とは違うと思いますよ。定量的な基準はかなり詳細に公開されており、本気で分析していた投資家は誰でも知っています。ただ、その基準が甘かったのは事実で例えば、長期間下落したことがなかったUSの住宅価格の上昇率の長期ヒストリカルデータを元に金融工学的なアプローチで期待値、リスクシナリオなどを定量的に計算してしまってましたから。そのデータで数学的に将来予想すれば、今みたいな住宅価格は下がるシナリオの発生率は天文学的な数値になるはず。長文失礼いたしました。
では何故,日本の他の機関投資家は農中同様の「ある意味システミック」な毀損を一桁違いで回避できたのでしょうか?
ご教授願います。
通貨市場は最も巨大な資産市場で、そこを振り回して不確実性を作り出し、それをリスク商品化したわけです。その市場に政府が介入するのはフェアじゃないというやり方で日本などの政治弱小国の手足を縛り、資産市場へのアクセスはどんどん自由化させた。
しかし、通貨は、一国の全バランスシートの負債を地等分化したものであり、1円は日本なのです。1は全てです。そこに生きる人間はたまったもんじゃありません。
農中がリスクを取っているのは事実です。その分リターンも高いのですが、当然収益のブレは大きくなります。今回の金融危機はそのブレを増幅させ、損失を膨らませました。
農中の2008年度の評価損約2兆円のほとんどは内外株式・クレジット投資を中心とする投資信託の評価損1兆8000億円が占めています。しかし、例え評価損であっても一定の水準を下回った場合、これを強制的に実現損として会計処理する必要があります(将来の元本の返済の確実性にかかわらず)。これらは将来元本が返済されたときに大きな戻り益となって返ってきます。しかし2008年度の決算においてはこれらの減損が大きく響き約5600億円の当期損失を計上しています。
ちなみにサブプライム関連の損失は約1000億円でこれは他の大手銀と比較してもそれほど大きくはないと思います。
以上は個人的な理解であり、事実と異なる部分もあるかもしれませんので、詳細については農中が公開している資料をご覧いただくのが確実かと思います。
http://www.nochubank.or.jp/account_info/pdf/kessan20_04.pdf
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