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【社会】

排水口に吸い込まれ男性水死 犬山のキャンプ場

2009年8月4日 朝刊

男性が吸い込まれた、激しく水が流れ出す排水口=3日午後3時22分、愛知県犬山市のキャンプ場で

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 3日午後零時半ごろ、愛知県犬山市八曽のモミの木キャンプ場内の五条川で、同県小牧市三ツ渕、会社員人見健司さん(23)が、幅約20メートルの川に設置された砂防用コンクリート製えん堤の排水口(幅約40センチ、高さ約80センチ)に吸い込まれておぼれた。約40分後に救出されたが、搬送先の病院で死亡が確認された。死因は水死。

 犬山署によると、当時は長雨の影響でえん堤付近の水深は上流側で、ふだんの約50センチが約3メートルになっていた。排水口は水面から約2メートル下にあり、水面からは見えなかった。

 上流側にせき止められた川で水遊びをしていた人見さんともう一人の男性が排水口に吸い込まれ、この男性は下流側に抜け出せたが、人見さんは水圧で腹部が吸水部をふさぐ形となり、動けなくなったという。

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 えん堤付近の川には立ち入り禁止の看板が立てられ、ロープが張られていたが、普段から水遊びをする人が多かったという。

 人見さんらは同日正午ごろ、勤め先のパチンコ店の同僚ら約30人とキャンプ場を訪れえん堤頂上部の縁につかまって遊んでいた。

◆大雨で異常増水 立ち入り禁止場所

 犬山市東部の自然休養林にある同キャンプ場は、地元住民らによる入鹿森林愛護組合が運営する。宮島佐喜男組合長(72)によると、えん堤には2カ所の排水口があるが、7月26日夜、大雨による土砂や流木で1カ所がふさがってしまい、それ以降は片方だけで水を流していたという。

 えん堤周辺は以前から立ち入り禁止にしていたが、監視員などは配置していなかった。同組合長は「今年の増水は異常で、見ていて怖いくらいだった。これを教訓に安全対策を強化したい」と話した。

 

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