2009年07月25日

本澤二郎の「日本の風景」(197)

<品性欠く民放番組に出演>
 テレビ朝日から出演の依頼があり、六本木ヒルズの敷地内にあるスタジオに出向いた。テーマがウイグル騒乱という中国・アジアにとって深刻な問題だったので、それこそ久しぶりに顔を出した。テレ朝は朝日新聞系列である。右翼的なものではないだろうとの判断もあった。それに以前に出演していたヤクザ代議士OBは、もう出ていないという解説にも納得した。



 初めて化粧をした。担当者が「やりますか」と催促するものだから、何事も経験だと思いOKした。化粧をする前に自動カミソリ機を使わされた。なるほど黒い髭がかなり消えてくれた。ものの5分程度で終わった。
 スタジオには20人ほどの観客も陣取っていた。無意味に笑い、拍手するための要員のようだ。それにカメラなどのスタッフがかなりいるではないか。土曜日の休みの仕事である。相当なコストをかけて番組が作られるのであろう。
 中央に麻生太郎のような多少口が斜めのおじさんが、隣に司会者の中年女性、二人の左右にお年寄りの政治評論家と右翼人士、対して中国・韓国の若い学者、それに筆者も刺身のツマのように隅に陣取った。
 始まってみて気付いた。格調の高い真面目な番組とは無縁のものだ。やんちゃ坊主のような右翼人士が北朝鮮や中国をとことんいびると、無視すればいいのに中国と韓国の若い学者がまともに反発する。無意味な討論会が延々と続くである。筆者を除いて口から生まれてきたような面々ばかりだ。日本側の右翼的発言は無責任きわまりない。それに笑いと拍手をするおばさん達が、背後ではやし立てる。
 うんざりする1時間番組である。途中、VTRがはいるが、これがまた悪質きわまりない内容である。いかがわしい中国人で知られる人物までがコメントしているではないか。フジテレビよりひどい番組である。
<右傾化番組>
 口の曲がった感じのおじさんがたまにチャチを入れる。最後の場面では9条を誹謗するものだから、こちらもかっとなって「9条のおかげで64年間日本は戦争をしないで来れたではないか」と大声を挙げると、右翼人士は4人そろってかみついてきて時間切れとなった。
 中国・北朝鮮たたきのシナリオのもとで製作された悪質番組である。隣国脅威論をまき散らし、改憲世論づくりが狙いなのであろう。筆者も体よく利用されたのであろうか。
 しかし、事情を知らない茶の間のテレビ人間は、この番組(8月3日放映)によって大いなる誤解をしてしまう。彼らは7月27日放映番組で総選挙を扱うのだという。連中にとって政権交代はいやなのであろうから、いったい自民勝利のための番組をどう製作するのであろうか。
 テレ朝のトップは確か朝日新聞の政治部、それも平和主義者・三木武夫の派閥を担当したものである。右翼ではない。それでいて、こんな右翼番組を編成するテレ朝である。どうしてこんなに落ち込んでしまったものか。在京政治部長会の時のテレ朝政治部長におかしなものはいなかったのだが。
<視聴率主義>
 スタッフの一人がこの番組の視聴率は10%台だという。よく見られる番組のようだ。品性のない討論番組に視聴率が高いとはどういうことか。日本国民の右傾化を物語っている。他方、右翼的政権からリベラル的な政権に移行する日本である。ワシントンほどではないが、日本もまた変革している。
 新政権のもとでは、靖国や教科書での衝突は激減するであろう。政権の交代はアジアにとっても好ましいものである。番組はしかし、そのことを無視している。いつまで続くのであろうか。視聴率主義をこのまま続けるのであろうか。
<スポンサー主導>
 担当者がくれた資料を見ると、スポンサーが載っている。その中に経団連の改憲世論担当者の企業が存在した。してみると、この右翼人士はスポンサーから番組スタッフに指示された面々なのであろう。
 右翼的言動が激しいほど彼らの成績はよくなるものか。日本のことはすっかり棚上げして「中国には人権がない」「選挙をやってみろ」と高飛車になって中国・韓国の学者に絡んで楽しんでいる。昔なら、こんな番組に出演をする中国・韓国の学者はいなかったろう。しかし、今は違うのか。
 作・演出=右翼スポンサーのこの番組には、さすがに意気消沈してしまった。ここまで下品な番組製作をするテレ朝に対してで、ある。その現場をこの目で見せてくれたことには感謝したい。また、かの人物が改憲論者であることも知った。宮崎県知事の先輩のようである。芸能人にも本物はいない。
2009年7月25日21時00分記


トラックバックURL

トラックバック一覧

1. 暴発直前!?東アジア情勢 - ビートたけしのTVタックル  [ 右寄りと言われて・・・ 中道右派な男 ]   2009年08月04日 07:24
JUGEMテーマ:評論家気取り8/3放送分“TVタックル”です。  先の見えない北朝鮮問題や中国・新彊ウイグル自治区の大暴動など、東アジアが揺れている今。今夜はアジアの論客が大集合し、日本の未来を大きく左右する隣国、中国を徹底研究致します。 今年で建国60年を迎...

コメント一覧

1. Posted by 。    2009年08月03日 22:18
1 中国ってナチスドイツより酷いことやってるのになんで擁護するん?
2. Posted by k    2009年08月03日 22:23
1 日本が竹島を奪われたとき
9条が何の意味もなさなかったという
歴史的事実から学びなおすべきだな
3. Posted by そりゃあーた・・    2009年08月03日 22:26
1 64年間、日本に戦争がなかったのは憲法9条のおかげじゃなく、日米安保と自衛隊があったからでしょ。
安保に関しては、今後もこの関係で良いのかどうか、議論はあってしかるべきだとは思うけど、
今時ちょっとばかし社会の物事を考える中学生だって「平和なのは憲法9条のおかげ」なんてジョークを信じやしませんよ。

・・なんてコメントすると「右翼的」扱いするんでしょうけど、ちょっとばかり現実主義で9条を信仰の対象にしてないだけなんで、あしからず。
4. Posted by 品性欠く本澤二郎    2009年08月03日 22:29
1 こういう論調を展開する馬鹿は久しぶりに見たw
5. Posted by あ    2009年08月03日 22:34
自分と考えが違えばなんでもかんでも右翼 右翼 右翼
6. Posted by      2009年08月03日 22:39
憲法9条 がそんなに大事だと思うなら
80数回も行って、中国語の本も出版してる
くらいなんだから、中国人民または中国共産党に
憲法9条を薦めてみて下さい。

あなたのお好きな中国が
もっと良い国になる為に・・・
7. Posted by 中国に自由を    2009年08月03日 23:01
共産主義者乙!
8. Posted by 本当にそう    2009年08月03日 23:16
1 前の人のいうとおり、...何でこの手の人は、日本だけが憲法9条で、それを他の国(特に中国)にはすすめないんだろう?

それに「品性」って、言葉...あなたが一番品性がなかった。
9. Posted by そりゃあーた    2009年08月04日 01:21
1 麻生太郎のような口の多少まがったおじさんってビートたけし氏のことかな?


何で自称平和主義の9条信奉者って、こう口汚ないというか、デリカシーが無いというか、下品なんだろうね(あなたが蛇蝎の如く嫌う右翼だって、事故の影響で、顔面に歪みが出てしまってる人の事を揶揄しやしないだろう)。
そういや車のことでもめて人をナイフで刺しちゃって逮捕された人いたけど、あの人も「9条の会」なんかの関係者らしいね。
たいした平和主義だこと・・と、思ったもんだけど、
憲法9条を宗教にしちゃってる人に限って、口でも行動でもえらく暴力的で下劣なんじゃないかって、そんな気がするね。
どっちかっていうと邪悪なイメージが付いたよ。
10. Posted by 品性欠く本澤二郎    2009年08月04日 01:35
1 北野武氏は欧州でコメディアンとしても映画監督としても非常に高い評価をされている文化人です。その人を「口の曲がった感じのおじさん」と評するあなたのほうが品性を欠くと言えるでしょう。それと憲法9条によって日本の平和が維持されているのではありません。現状は日米同盟です。第二次世界大戦時に広島・長崎に原爆が落とされましたが、もし、日本に核兵器があり、アメリカに届いていたら、アメリカは核攻撃をしたでしょうか。右傾化と言われますが、今、防衛を強化するのは侵略する為ではありませんよね。それくらいお分かりですよね?
11. Posted by 中国人になれば?    2009年08月04日 06:20
そんなに中国が好きなら中国に行けば?

人嫌もなければ核も持つような国ってあなたの理想に反してません?

ほんと左翼のお花畑は人ってよくわからんわ・・・
12. Posted by どこ情報ですか    2009年08月04日 06:36
>また、かの人物が改憲論者であることも知った。宮崎県知事の先輩のようである

北野武氏がですか?
9条の事ならなら彼は護憲派だと思いますが。
13. Posted by カタカナサヨク    2009年08月04日 09:18
「口の曲がったおじさん」などと外見でヒトを差別し、カタカナサヨクの典型例ですね。このブログは推薦に値します。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Archives
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード
livedoor Readerに登録
RSS
livedoor Blog(ブログ)