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本6日午前、外務省経済局総務参事官室に所属していた小林祐武(ひろむ)及び大隈(おおくま)勤(つとむ)の両名が、九州・沖縄サミット準備事務局が東京で使用するハイヤーの契約に関する詐欺罪で起訴されました。外務省としては、両名が7月16日に警視庁に逮捕されたことを受け、当時の九州・沖縄サミット準備事務局の関係者より、本件ハイヤー契約に関する任意の聞き取り調査を集中的に行ってきました。
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これを踏まえ、小林祐武及び大隈勤の両名を本日付けで懲戒免職処分としました。
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本件に関し、事務当局の最高責任者である川島裕事務次官及び九州・沖縄サミット準備事務局が設置されていた大臣官房の当時の責任者である阿部知之前官房長(現研修所長)については、懲戒減給処分(10%、1ヶ月)にしました。また、現在の官房の総括責任者である飯村豊官房長より、俸給月額の10%、1ヶ月分を自主返納したいとの申し出があり、これを受け入れました。
また、当時小林、大隈両名を直接監督する立場にあった本村芳行九州・沖縄サミット準備事務局長(現国連代表部大使)については、現在特別職にあり、国家公務員法上の懲戒処分の対象となり得ないことから、外務大臣名による厳重訓戒処分にしました。なお、本村前事務局長からは、俸給月額の20%、3ヶ月分を国庫に返納したいとの申し出があり、これを受け入れました。
さらに、業務上の直接の監督責任は有していないものの、小林、大隈が併任されていた経済局の関係者、すなわち、田中均 経済局長、天野万利 元経済局総務参事官、齋木昭隆 前経済局総務参事官、奥田紀宏 経済局総務参事官の4名についても、両名が本来所属している部局の責任者であり、両名の公務員としての紀律を指導する立場にあったことを踏まえ、外務大臣名による厳重注意処分にしました。また、当時の会計事務の責任者であった卜部敏直 元会計課長及び木寺昌人 前会計課長の2名についても、外務大臣名による厳重注意処分にしました。なお、右6名から、俸給月額の10%、1ヶ月分を国庫に返納したいとの申し出があり、これを受け入れました。
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また、聞き取り調査の結果、小林、大隈よりタクシー・クーポン券、及びハイウェイ・カードを受領していた者が他にいたことが判明したため、以下の処分としました。
松田耕二 |
在チェンマイ出張駐在官事務所領事 |
懲戒停職(1ヶ月) |
小林秀彦 |
北米第2課事務官 |
懲戒停職(1ヶ月) |
なお、上記2名は、在任期間は異なるものの、何れも九州・沖縄サミット準備事務局の会計・庶務班に所属していました。
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松尾元室長事件、及びデンバー総領事不正経理問題とともに、九州・沖縄サミット準備事務局のハイヤー契約をめぐって、このように多くの処分者を出さざるを得なかったことは、正に痛恨の極みであり、国民の皆様に対して、改めて深くお詫び申し上げます。
今般の事件を受けて、既に「調査・再発防止のためのタスク・フォース」を立ち上げており、外務省内の会計事務のチェック体制、調達システム等について、その問題点を洗い出すとともに、同種の事案がないかについても調査を行っているところです。また、杉浦副大臣を長とする「綱紀引き締めのためのプロジェクト・チーム」は、副大臣、大臣政務官、各局(部)幹部を構成員とし、上記タスク・フォースの調査・作業を指導していくこととなります。
外務省としては、このような不祥事を繰り返さないために、省員が一丸となって外務省の自浄能力を示し、また一日も早く外務省に対する国民の皆様の信頼を回復すべく、全力で努力していく考えです。 |