石井デビュー戦に吉田を“指名”…戦極　第九陣

戦極の参戦について発表した吉田（左）と石井

　◆戦極　第九陣（２日・さいたまスーパーアリーナ）　北京五輪柔道男子１００キロ超級金メダリストの石井慧（２２）が参戦表明後初めてリングに登場し、デビュー戦の相手にバルセロナ五輪７８キロ級金メダリストの吉田秀彦（３９）＝吉田道場＝を“指名”。夢の金メダリスト対決が年明けの実現へ大きく動き出した。アテネ五輪柔道９０キロ級銀メダリストの泉浩（２７）＝フリー＝は、９月２３日の「戦極　第十陣」（さいたまコミュニティアリーナ）でデビューすることを発表した。

　総合格闘技史上初の「日本人金メダリスト対決」が、年明けにも実現へ―。石井は、吉田、泉、シドニー五輪８１キロ級金メダルの瀧本誠（３４）＝吉田道場＝とともにメダリスト軍団「柔道トップチーム（ＪＴＴ）」としてリングに登場。デビュー戦について語った。

　「初戦の相手をこの中でしたい人がいます。それは泉先輩…ではありません。あとは戦極に任せます。応援よろしくお願いします」

　ウエルター級の瀧本とは対戦の可能性はない。名指しこそ避けたが、吉田をデビュー戦の相手に“指名”した形だ。

　続けてマイクを握った吉田は「ここにいる後輩たちはみんなライバル。もしかしたら戦うことになるかもしれないが、先輩後輩を抜きにぶん殴ってください」と挑戦状を真正面から受け止めた。

　戦極を主催するＷＶＲ社の國保尊弘取締役は、石井のデビュー戦について、「吉田戦となった場合はニューイヤーイベントになるだろう」との考えを明かし、「必ず実現しなければいけないカード。やるとしたら、吉田は引退をかけてやる思い以外ないだろう」と付け加えた。

　また泉は、石井より一足先に９月２３日のデビューを宣言。「早くデビューしたいという願いがかなった。私のファイトスタイルを見に来てください」とアピールした。

　◆郷野も藤田も黒星　○…日本人強豪ファイターが外国勢にそろって敗れた。米ＵＦＣに参戦していた郷野はホーンバックルの右ハイキックで３回ＫＯ負け。試合後は病院に直行するほどのダメージを負った。約１年ぶりの参戦となった藤田はイワノフに１―２の微差判定負け。「言いたいことはあるけど、これが現実。判定は人が決めること」と淡々と語った。