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(5)集中練習 楽しみ

高校で才能開花、総体準優勝 五輪の夢へまい進

バドミントン選手 打田しづかさん(18) (大府市)


五輪出場を夢見て練習に打ち込む打田選手

 素早いフットワークでシャトルを待ち構え、まるでムチのようにラケットを振り抜く。柔らかな肩とヒジ、そして手首を生かした強烈なスマッシュが、相手コートに突き刺さる。

 「(シャトルを)打つ前に、ほかの選手にはない間ができる」。指導する岡崎城西高の下込貞司監督(54)はその魅力を語る。

 小学2年の時、母親に連れられて、近くにできたバドミントンスクールで初めてラケットを握った。「すごく楽しかったから」と、4年から本格的に通い始めた。「難しいと思う時もあるけど、課題がわかるとそれが励みになる。試合で勝てれば、やっぱりうれしい」。最初に感じたバドミントンの面白さを見失うことなく、歩んできた。

 全日本中学選手権ではベスト16が最高だったが、岡崎城西高進学後、豊富な練習の中で才能が花開いた。2年生で全国高校総体シングルスで3位。今年は2位。その決勝は同じ大府市のスクールから福島県の尚志高に進んだ野尻野(のじりの)匡世さん(3年)が相手だった。30年近い指導歴を持つ下込監督が「決勝が二人とも愛知出身というのは間違いなく初めて」という、県勢にとっては歴史的な試合だった。ダブルスでもチームメートの藤田理恵子さん(3年)と組んで、2位に入った。

 素顔はよく笑う18歳だ。コートにはバドミントンが楽しくて仕方がないというような笑顔で駆け込んでくる。高校3年間、夜7時まで同校で汗を流し、大府に戻ると、すぐに通い続けてきたスクールに出かけ、門が閉まる9時までラケットを振る生活を続けてきた。練習漬けの毎日だが、「つらいと思ったことはありません」。でも、「スクールの子からコートでは怖い顔をしていると言われたこともあります」と、くすりと笑った。

 将来の五輪出場を夢見て、今春から日本リーグの日本ユニシス(東京)に進む。ライバルの野尻野さんも同じチームだ。「毎年、成績が上がっているので、もっともっとうまくなれると思います。今より、練習に集中できるので楽しみです」。未来を見据える目は、笑顔同様にキラキラと輝いていた。(宮島出)

 バドミントンの世界大会
 奇数年に世界選手権が開かれる。オリンピックでもバルセロナ五輪(1992年)から正式競技に加わった。「オグシオ」と呼ばれる小椋久美子、潮田玲子両選手が昨年夏の世界選手権で銅メダルを獲得。北京五輪への出場も確実視されている。


2008年1月7日  読売新聞)
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