ヤクルト−中日 延長11回表2死三塁、森野の死球をめぐり両軍が入り乱れる=神宮球場で(北村彰撮影)
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新たな「遺恨」になるだろう。11回、荒木の決勝打の直後に“事件”が起きた。代わった李恵践の初球が森野の背中にドスンと当たる。痛みで顔をゆがめた森野がマウンドの李をにらみつけると、“逆ギレ”した李も何事か文句を言いながら応じる。すかさず両軍ベンチから選手が飛び出し、一塁ベース付近で衝突。輪の中心では川相内野守備走塁コーチらがヤクルトサイドへ血相を変えて詰め寄った。
試合後、興奮冷めやらぬ様子で森野は語った。「『謝れ』と言ったんだ。そしたら『何言ってんだ』という感じで言ってきた。ここは韓国じゃない。日本なんだ。日本でやるからには日本のやり方に従うべきなんだ」。川相コーチも「『帽子を取って謝れ』と言ったんだ」と説明した。
荒木の一打で試合の大勢は決まっていた。そのことも、森野の怒りを増幅させた。「接戦だったらあんなに怒らない。故意? そこまでは言わない。でも初球だからね。荒木さんのヒットで試合はほぼ決まっていたんだ」とまくしたてた。
伏線もあった。31日の1戦目ではブランコが左ひじに死球を受け、交代を余儀なくされた。翌1日は谷繁がヘルメットをかすめる死球を受けた(ユウキは危険球退場)。死球はこれで3日連続。うっぷんは積もり積もっていた。
8月はヤクルトと6試合が組まれている。優勝争いを左右する上位対決が、遺恨をはらんでますます白熱しそうだ。 (木村尚公)
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