落語の噺とネコの話

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS 金原亭馬生『お富与三郎/与三郎の死』

<<   作成日時 : 2009/05/25 12:30   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

5月23日 本牧落語五人会(お江戸日本橋亭)

この会では、金原亭馬生による『お富与三郎』の連続口演をやっており、今回がその最終回。
先代の馬生も得意としており、内訳としては、『木更津』、『稲荷堀』、『島抜け』、『与三郎の死』という4パートにわかれる。
馬生は、これまでの粗筋を約6分で語る。
今回のパートは、直前の『島抜け』から続くもの。
こう書くと当たり前のようだが、『木更津』と『稲荷堀』の間には歌舞伎で有名な『玄冶店』があり、馬生(先代も含めて)はやっていない(五街道雲助はやるらしい)。
佐渡から逃げた与三郎の目的は、ただひとつ、お富に会うことのみ。
逃亡の課程を簡単にふれ、いよいよラストの2場面に入る。

まずは、実家である日本橋横山町の伊豆屋前で、なにやら喪に服している。
様子を伺っていると、中から叔父さん(具体的な言及はないが『木更津』に登場した人と思われる)が出てきたので、後をつけ声をかける。
「そばに来るんじゃない」と追っ手の可能性を懸念しつつ、背中越しの会話が続く。
それによると、実家では父親が患った末に死に、今日は初七日だとのこと。
さらにはお富が品川にいるらしいということを聞き出す。
叔父さんは口では「おめえはしょうのねえ奴だ」などと言うが、与三郎のことを案ずる気持ちが伝わる。

そして、品川のお富の家。
品川の街を歩いていると偶然にもお富と行き合い、そのままお富の家に行く。
食事をして酒を飲んだ末に寝込んでしまう与三郎。
その様子を見ながらお富は思う。
「この人がこんなになってしまったのは、あたしのせい。追っ手につかまれば死罪は必定。それならば」
持っていた匕首で与三郎の胸をひと突きする。
与三郎は死にながらも笑みを浮かべていたという。

この『お富与三郎』四部作では、この『与三郎の死』だけが少々異色な存在である。
他の3つはどこかに「動」的要素を含んでいるのに対し、こちらは「静」的な要素しかない。
最後の殺人シーンですら、深閑としたムードの中で行われる。
それはそれで余韻がありいいのだが、単独にこれだけ聴いて感動できるというものではない。
全部を通して初めてその効果が得られるのかなという気はする。

なお、馬生という落語家は独特の静かな雰囲気をもっている。
その意味でごく当たり前の落語家とはちょっと異質なのだが、やはり異質な雰囲気を持っている人がもう一人いる。
それは、むかし家今松。
こちらは静かとは違って飄々とした感じではあるが。
この二人の師匠がともに先代の馬生であるというのは偶然か?

設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文