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■[小説]ぷりるん。〜特殊相対性幸福論序説〜／十文字青

ぷりるん。―特殊相対性幸福論序説 (一迅社文庫)

• 作者: 十文字青
• 出版社/メーカー: 一迅社
• 発売日: 2009/07/18
• メディア: 文庫

これはキツい……。表紙とあらすじに惹かれて読むとどんより来るぞ。だが、個人的には傑作だったと言わせてくれ。

受け身のままハーレムルート入る前のお膳立て状況に置かれた主人公がふとヒロインの一人（メンヘラ）に引かれたら、そのヒロインの問題だけじゃなく、他のヒロイン及び周囲に対しての問題も主人公の重力に引かれてなし崩し的にのし掛かってきて、今まで安定してた（ふりしてた）世界が崩壊し主人公もボロボロになっていく。それを経て、今まで気付かなかった自分を支えてくれたものの大切さに気付き、他者に対して剥き出しでぶつかっていくことで本当の人と人の関係性について見つめ直していき、自身の再生へと繋がるお話だと思う。そして、抱えた痛みも修復された関係も無垢で一途な愛に回収されると。

力業っぽいラストだけど、なんか凄かった。中盤過ぎぐらいまで主人公は心が死ぬ手前だったんで心配だったよ。

それにしてもエロゲじゃプレイヤーから拒否られそうなヒロインばっかだな。だが、この話ならそれがいい。ぷりるんも悪かないが、ビッチ萌え。

ぷりるんの意味はわかったけど、なんでその言葉がぷりるんだったんだろう？

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