2009年8月2日3時4分
このレベルの被曝の影響は、厳密にはわかっていない。ただ、NASAが約300人の飛行士を対象に、8ミリシーベルト以上浴びたグループとそうでないグループを比べたら、前者が白内障になる危険性が高まったという研究結果もある。
放射線医学総合研究所の保田浩志・宇宙線被ばく研究チームリーダーは「集めたデータを今後の健康管理に生かす必要がある」と話す。宇宙航空研究開発機構は米国などと協力し、若田さんに定期的に眼科検診をしてもらったり、血液に含まれるがん特有の物質を調べたりする計画だ。
精神面でのサポートも大切だ。宇宙に出て価値観や人生観が変わったり、高い目標を達成した後の「燃え尽き症候群」になったりすることもあり、注意が要る。
日本は、こうした研究成果を今後の有人計画に生かす計画だ。(東山正宜=ケネディ宇宙センター〈米フロリダ州〉、田中康晴)