アニメやマンガ、ゲームのキャラクターになりきる「コスプレ」世界一を決めるイベント「世界コスプレサミット2009」(主催・テレビ愛知)が1日、名古屋市で始まった。初参加したフィンランド代表として参加したアイリス・ロンッコさん(23)とアルットゥ・セッピさん(23)に話を聞いた。【服部美央】
「世界コスプレサミット」は、03年にスタートしたイベント。日本や米国、フランス、イタリア、ブラジルなど各国の予選を勝ち抜いた代表チームが、コスプレの完成度やパフォーマンスなどを競う。今年は初参加のフィンランドチームを含め、史上最多の15カ国30人が参加した。ロンッコさんとセッピさんは08年にフィンランドで行われた「ヘルシンキブックフェア」でアニメ「トリニティ・ブラッド」のコスプレをして代表に選ばれた。1日、名古屋中心部の錦通(名古屋市中区)で約5000人の観客を前に行われたプレミアムパレードと、大須(同区)での一般コスプレーヤー500人とのコスプレパレードに他国の代表コスプレーヤーとともに参加した。
格闘ゲーム「ソウルキャリバー4」のキャラクター、エイミ・ソレルのコスプレをしたロンッコさんは「雨が降っていたけれど、(観客の)みんなが手を振ってくれたり、レッドカーペットが豪華でいい感じだった。(ソレルは)吸血鬼のキャラで手で縫ったレザージャケットの刺しゅうが自慢。靴下などもうまく作れて、全体的に成功した」と満足そうに話した。同ゲームの真喜志のコスプレをした身長190センチのセッピさんは「(真喜志という)キャラが好き。背が高く自分に似ているところがある。胸の飾りを最初に作った。自分で描いたパンツのすその絵が気に入っている」と話した。
「03年からコスプレをしている」と言うロンッコさんは「フィンランドで最大のマンガイベント『アニメコン』に行くとき、友達に『コスプレしなきゃ』と言われて、初めてコスプレをした。それで(コスプレに)興味をもつようになった」と振り返り、「最初のコスプレは『るろうに剣心』の剣心。でもそのときは衣装はあまり作れず、ちょっと適当だった」と笑顔を見せた。セッピさんは「かなり前からコスプレに興味はあったが、実際にしたのは1年前。ロンッコさんに教えてもらい、彼女が服を縫ってくれたりする」と言う。
またロンッコさんは「フィンランドでは『DEATH NOTE(デスノート)』、『NARUTO(ナルト)』、『ヘタリア』、『BLEACH(ブリーチ)』などが人気。テレビで放送されていないので、米国、ヨーロッパから英語の字幕版を買って見ている。(アニメ、マンガなどの)専門店はあるが規模が小さく、秋葉原などのようなアニメやゲームのお店が集まった街はない。主にイベントでコスプレをしているけれど、コスプレ仲間とコスプレをして公園に行ったりもする」とフィンランドのアニメ、コスプレ事情を話した。
フィンランドはノルウェー、スウェーデンと国境を接する北欧の国。世界コスプレサミットのオフィシャルパートナーを務めるフィンランド航空(フィンランド)は成田空港、関西国際空港、中部国際空港から首都ヘルシンキへ約9時間30分で運航。ヨーロッパの約40都市へ乗り継ぎが可能で、10月24日までの夏季スケジュールでは成田と中部から週4便、関西から毎日就航している。
セッピさんは「ヘルシンキにたくさんの観光スポットがある。ラップランド州はエキゾチックで自然がいっぱいあるし、サンタクロースもいる。田舎には男性が花嫁(役)を抱えたり、肩に乗せたりして速さを競い、優勝者に花嫁の体重と同じ重さのビールが贈られる伝統的なスポーツの世界大会がある。米国やケニアからも参加者がいて、見たら楽しいと思う」と自国をPRした。
ロンッコさんとセッピさんは2日午後6時50分からオアシス21(名古屋市東区)で開催される「世界コスプレチャンピオンシップ」に出場し、他国の代表チームと世界一を競う。「世界コスプレサミット」は3日まで。
2009年8月2日