PJ: 宮本 聰
全国河川・水質ワースト5位の鶴見川! 信じる? 信じない?=神奈川
2009年08月02日 10:20 JST
鶴見川から新横浜界隈のビル群を望む(撮影:宮本聰 8月1日) 
【PJニュース 2009年8月2日】国土交通省が発表した、2008年度の全国河川・水質ワースト5に神奈川県の鶴見川が選ばれました。
「嘘でしょう!」と感じるか、「それもそうだ」と感じるかは人さまさまでしょうが住民感情として不名誉なことに間違いありません。ただ地元の識者の間で調査方法そのものに疑問を投げかける人もいます。さらに国交省内でも河川水質管理の指標を見直す動きがあります。(http://www.mlit.go.jp/common/000046619.pdf )
本当に鶴見川は汚れた川なのでしょうか?
7月31日付読売新聞の記事見出しは「全国河川・水質ワースト5、前年と同じ顔ぶれ」となっています。全国ワースト5というと、あたかもゴミの浮く川・濁りきった川というイメージを誰しもが抱きます。正確には全国166の1級河川の水質ランキングで、微生物が消費する酸素量を示すBOD(生物化学的酸素要求量)を指標に評価したものです。ことさら汚い川と思い込ませるような報道姿勢(記事見出し)には驚きです。センセーショナルな見出しより「河川の水質管理に新たな指標設定の動き」とできないものでしょうか。
鶴見川は、東京都および神奈川県を流れる川で、東京都町田市上小山田の泉を源流とし、神奈川県横浜市鶴見区の河口から東京湾に注ぐ。全長42.5キロ、流域面積235キロ平方メートル、支川数10の一級河川です。
終戦後しばらくは暴れん坊の鶴見川と恐れられたものです。護岸整備が不十分であった下流領域は台風が来るたびに幾度となく水害を被ったものです。知る人も少なくなりました。
流域の住民として看過できず、さっそく鶴見川に足を運んでみました。
新横浜駅前から数分のところに「ワールドカップ大橋」が架かっています。サッカーファンならよくご存知の日産スタジアム横を流れる川がそれです。快晴の日には遠くに富士山を望み、川面に青空が織り成して美しい田園風景を見ることができます。
青々とした水草を分け入るように水が流れています。川辺から新横浜界隈を見渡すと自然と都市のビル群がみごとにマッチして都会の中の川という感じです。水辺で季節の野草を採る人も見られました。川の透明度も高く、上流では様々な魚たちの姿を見ることができます。見た目で判断すべきではありませんが、鶴見川は、ゴミの川でもなくよどんだ川でもありませんでした。
河川の管理は人との共生でとても大切なことです。ある一定の基準を設け管理していくことは必要です。その管理基準の見直しが始まっている現在、一部の偏った報道に惑わされることなく「人」と「自然」の観点から川をみつめ直すべきだと思います。【了】
■関連情報
PJニュースは一般市民からパブリック・ジャーナリスト(PJ:市民記者)を募り、市民主体型のジャーナリズムを目指すパブリック・メディアです。身近な話題から政治論議までニュースやオピニオンを幅広く提供しています。
PJ募集中!みなさんもPJに登録して身の丈にあったニュースや多くの人に伝えたいオピニオンをパブリックに伝えてみませんか。