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【赤木智弘の眼光紙背】インターネットの選挙利用を阻むもの

2009年07月30日11時00分 / 提供:眼光紙背

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赤木智弘の眼光紙背:第92回

インターネット上で、ユーザーの「つぶやき」を発信、閲覧するサービス「Twitter(ツイッター)」は、単なる1サービスの枠を超えた大きなコミュニケーションツールとして日常に入り込みつつある。
アメリカのオバマ大統領を始めとして、各国の有名人がメディアを通さずに自らのつぶやきを発信し、それを多くのユーザーが受信している。もちろん有名人だけではなく、多くの人たちが自分の気に入った人たちのつぶやきを閲覧して楽しんでる。
そして、日本の政治家の中にも、Twitterを活用する人が増えてきている。(*1)
彼らは、出席した会議などの様子や、自らの考えかた、さらには食事をしたなどの普通のことまでを盛んに投稿して、情報発信に努めている。
しかし、どうやら選挙期間中には、彼らの投稿も少なくなりそうだ。政府はTwitterの選挙利用を「公職選挙法に違反する」と答弁している。(*2)

まず、私の見解を述べておくと、私はTwitterの選挙利用には消極的である。
Twitterは140字までしか投稿できず、公約などを掲げるには短すぎる。また、基本的には時系列順でしか表示できないために、事項別に考えなどをまとめることができない。
Twitterで書けるようなことなら、自らのサイトで項目別に分けて、福祉はこれ、防衛はこれ、予算はこれと、見解を分かりやすく提示する方がいい。
もちろん、その上で「どこどこに行きました」「ここで演説やります」などの書き込みをすればいいのであり、それはツールごとの適材適所という話である。Twitterはそれ単体では、選挙利用に有用なツールではない。政治家は、つぶやきという「印象」で有権者に訴えるのではなく、具体的な政策を書類やサイトなどを通して、明確に有権者に訴えるべきなのである。
 
ところが、インターネットの利用が一般的なものになりつつあるにもかかわらず、インターネットの選挙利用はまったくといっていいほど進んでいない。というか、何年も前から幾度ともなく問題にされているのに、いまだにインターネットの選挙利用は、原則として公職選挙法によって禁じられている。
有用な政策伝達のツールとなりうるインターネット利用が禁止される一方で、顔と名前だけのポスターや、それを貼るための真新しい掲示板。そして、いったい誰が望んでいるのか、名前を連呼するだけの騒音発生源である選挙カーなど、馬鹿馬鹿しく無駄遣いの選挙用のツールは、昔から使われつづけている。
よく言われる理由としては「デジタルデバイド」、すなわちネットを使える人と使えない人の格差があり、使える人しか情報にアクセスできないのが問題だと言われる。
しかしそれならば、昼間に働いている人たちにはアクセスが難しく、地元の年寄りしか集まらない、選挙期間中の演説会なども、格差を理由に禁止されるべきだろう。
インターネットの利用が、一部のパソコン好きに留まっていた時代ならばともかく、もはやインターネットは社会生活になくてはならない標準的なインフラである。お年寄りにPCや携帯サイトを見られるようになる努力の1つや2つ求めても、罰は当たらないはずだ。
しかし今の政治家にそれはできない。お年寄りのご機嫌をとりにいそしむ今の政治家は、お年寄りに負担を強いることはできないだろう。
お年寄りが金と投票率という力を持ち続ける限り、若者に負担を強いることは平気でも、年寄りの負担はタブーという社会のコンセンサスは変わることはない。そうした根源的な問題から目を逸らして、インターネットの選挙利用を論じても効果は望めない。
まずは「お年寄りにも、当然の負担を求めることができる社会」というコンセンサスを社会で作り出す必要がある。Twitter云々はそれからの話である。

*1:「ツイッターと政治(α)」(http://politter.com/)で、政治家のアカウントと投稿内容を一覧することができる
*2:選挙:衆院選 「つぶやき」は公選法違反 政府「トゥイッター」禁止(毎日新聞)http://mainichi.jp/life/electronics/news/20090722ddm002010091000c.html


プロフィール
赤木智弘(あかぎ・ともひろ)…1975年生まれ。自身のウェブサイト「深夜のシマネコ」や週刊誌等で、フリーター・ニート政策を始めとする社会問題に関して積極的な発言を行っている。近著:「「当たり前」をひっぱたく」。


眼光紙背[がんこうしはい]とは:
「眼光紙背に徹する」で、行間にひそむ深い意味までよく理解すること。
本コラムは、livedoor ニュースが選んだ気鋭の寄稿者が、ユーザが生活や仕事の中で直面する様々な課題に対し、「気付き」となるような情報を提供し、世の中に溢れるニュースの行間を読んで行くシリーズ。バックナンバー一覧 Readerに追加RSS
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