のび太とアニマル惑星

表紙  
  目鼻上唇手
  他の仲間は頼もしげに手を上げたり、宇宙船を運転したりなんですが、スネ夫は何をしているのか分かりづらいのです。
扉絵  
  白黒目
  何かを見てびっくりしている絵ですが、スネ夫は目を白黒させて一番驚いている顔です。
P9  
  二足歩行の動物さんの夢を見たのび太に対し、「ウヒャヒャヒャ・・・。のび太ちゃん、かーわいい。」「いやいや、夢なんてものはみる人の知能程度があらわれるものだよ。」
  単に子供じみた夢を見た、だけじゃなく、のび太は知能が低い、とあたかも科学的裏づけを得たかのように得意げに語っております。
P56  
  見知らぬ森の中で道に迷い「まよわないようあちこちに印をつけといたの。」「ぼく、頭がいいから。」
  わざわざ頭がいいからと付け加える辺りが骨川流です。
P59  
  ピンクのもやをくぐって見知らぬ森から荒野に移転し、パニックに陥ったジャイアンに背中で腕を組む親父ポーズで「まるでだだっ子みたい。いやだいやだ・・・。」
  酔っ払いが2人いる時はどちらかが素面だといいますが、こんな状況で冷静でいられるなんて只者ではないですね。
P60  
  荒野に見えた廃墟に怖い想像を含膨らませるジャイアンに「どうしてものごとを悪いほうにばっかり考えるの!?」
  単に状況が飲み込めないが故にジャイアンやのび太がポジティブな事はありましたが、スネ夫は状況を理解した上で敢えて前向きにという姿勢がうかがえます。この作品ではジャイアンとスネ夫の立場が他の長編と逆転しているのですが、それが象徴的に現れているセリフ。
P72  
  ピンクのもやの中で、相変わらずネガティブなジャイアンに「ぼくにきかれてもこまるなぁ。」
  一人で闇雲に突き進んで勝手に不安に陥っているジャイアンに対し、もううんざりと言った、達観した発言です。
P73  
  ジャ:「かあちゃんやジャイ子によろしくと・・・。」「お、おい・・・なんでそんな顔するんだよ。」「なんかあるのかとドキッとするじゃないかよ、やめろよ!!」
  この間スネ夫は真っ青な顔をして固まっているのですが、そこまでのクールな発言の積み重ねがこのシーンでの演出に結実していると言っていいでしょう。
P86  
  「ジャイアンがあんなにおびえるとはなあ・・・。」「あのずうずうしい無神経なバカ力だけが自慢のジャイアンが・・・。」
  正面顔で説明的な長い独り言、眉はw。
P87  
  ゴリラの扮装をしたジャイアンに「アハハ、かぶっても、たいしてかわらないや。」
  まー、実際ほとんど変わって無いんですけどね。このセリフの緊張感のなさが、二人の安心感を象徴しているといえるでしょう。
P91  
  「あれは幻覚だよ。ふたりともヘトヘトにつかれていたから。」「こっちへきてからなんだかひどく神経質になっちゃって・・・。」
  四コマに渡って真っ青になって硬直していたくせに。怯えているジャイアンをなだめ、状況を説明する、良いコンビっぷりですね。
P117  
  ぼ、ぼくはいってもいいけど、ジャイアンがこわがるんじゃ・・・。
  この辺からいつものジャイスネに。それでもちゃんとついていくスネちゃまは偉いのです。
P134  
  まてよ!するとぼくたち地球へ帰れないわけ!?
  物凄く大事な問題なんですけど、ジャイアンに「そんな心配は後にしろ!!」と一喝されてしまいます。
P188  
  祝勝会で宴会ムードの中「ぼくたちどうしたら地球へ帰れるんだろ。」
  冒険の最後には家に帰るというのは、本来もっと気にするべき問題なんですけどねぇ。
総評  
   
  前半で、臆病なジャイアンに、あくまでも冷静なスネ夫という関係の逆転が見所ですね。また、物語的にもさらっと流されているところですが、帰る方法がなくなった、という問題についてスネ夫が言及しているところもスネ夫らしさと言う意味では押さえておくべきポイントでしょう。