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太宰作品にGHQ検閲=「神国」など削除指示−4短編集7作品、米で新資料

8月1日0時37分配信 時事通信

 生誕100年を迎えた作家太宰治(本名津島修治、1909〜48年)が、戦後間もなく発表した「新釈諸国噺」や「薄明」など4短編集に収められた7作品が、連合国軍総司令部(GHQ)の検閲を受けていたことを示す資料が発見されたことが31日、分かった。
 日本を「神国」と表記した部分や、武士道の精神を唱えた記述が主な削除対象。戦後日本を占領下に治めたGHQへの反発が、人気作家の著述であおられる可能性を排除する措置だったとみられる。
 米ペンシルベニア州立大学のエイブル・ジョナサン准教授と青森県出身で長崎総合科学大学の横手一彦教授が共同研究の中で、メリーランド大学(米メリーランド州)の図書館「プランゲ文庫」から資料を見つけたという。
 横手教授によると、GHQの検閲が判明したのは、45年発行「新釈諸国噺」に収められている「人魚の海」▽46年発行「薄明」の「鉄面皮」、「校長三代」▽47年発行「ろまん燈籠」の「貨幣」▽同「黄村先生言行録」の表題作と「佳日」、「不審庵」の計4短編集7作品。また、「新釈諸国噺」の冒頭に書かれている「凡例」についても検閲個所があった。
 「人魚の海」では、「そもそもこの日本の国は神国なり」や「神国三千年」などの言葉のほか、武士道精神を表現し、軍国主義を連想させる個所に対して、GHQの削除指示が出されていた。 

最終更新:8月1日0時37分

時事通信

 

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