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伊ぼったくり被害の男性「ご招待不要、むしろ困ります」

2009年7月31日5時0分

 ローマの有名レストランで日本人のカップルがランチに法外な値段を請求されたことが地元で報じられ、イタリアの観光相が謝罪するなどした騒動。被害者は、茨城県つくば市内でプロパンガス会社を経営する山田康行さん(35)のカップルだった。観光相は改めて無料でイタリアに招待する考えを打ち出しているが、山田さんは「必要ありません。イタリアの税金を使うことになるのでむしろ困ります」と話している。

 山田さんは、6月にレストラン「パセット」を訪れた。ガイドブックをみて店に着くと、ガラガラだったという。「不審に思ったが、ウエーターに声をかけられて入った」。食材やメニューを見せられたが、イタリア語が分からないので「お任せ」のようになったらしい。

 「何も言わなかった自分も不注意だった」。ワイン、前菜が出され、スパゲティにロブスターがのって出てきたのには驚いた。レシートを見せられ、695ユーロ(9万5714円)と大変高いのでサインを渋っていたが、レストラン側は「ここだ」と指をさすので渋々サインしたという。

 「引っかかったと帰りのバスで泣けてきた」。重い気分でホテルに戻り、友人のホテル経営者に相談して警察に届けた。カードの引き落としは来月の予定だという。

 帰国後、ローマ市によってパセットが閉店させられたことを知り、「こんな騒ぎになったのには驚いた」。イタリアの印象について山田さんは「文化の違いがあるし、店の問題。イタリアが嫌いになったわけではない。機会があればまた行きたい」と語った。(土田芳孝)

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