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SOAレコードには何が記述されている?
佐藤新太(JPRS)
2003/8/29
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ドメイン名のツリー構造は委任によってゾーンに分割され、分散管理されています。SOAレコードはこれらの分割されたゾーンそれぞれのオーソリティ情報が記されているレコードです。SOAはStart
Of Authorityの略で、「権威の開始」という意味になります。
BINDではゾーンファイルの先頭、デフォルトTTLの指定の後に書くことになっています。また、SOAは委任に関するオーソリティ情報を記すものであり、各ゾーンの委任されたドメイン名に関連付けられます。
SOAレコードはゾーンファイルの中では、リスト1のように記述されます。
リスト1: SOA レコードの記述例 |
@ IN SOA ns1.example.jp.
postmaster.example.jp. (
2003081901 ; Serial
3600 ; Refresh
900 ; Retry
604800 ; Expire
3600 ; Negative cache
TTL
) |
(注)ゾーンファイルの中では、「;」から右側はコメントとして扱われます。また、「(
)」で囲まれた部分は継続行と見なされます。 |
リスト1のSOAレコードには赤字で示した以下の7つの情報が順に並んでいます。
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名前:MNAME(ns1.example.jp.) |
・ゾーンファイルの基となるデータを持つネームサーバの名前
・プライマリのネームサーバを指すこともある |
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名前:RNAME(postmaster.example.jp.)
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・このドメインの管理者のメールアドレス
・ DNS のサーバがこのアドレスを使うことはないが、人がゾーンの管理者と連絡を取りたい際に使う
・メールアドレスをそのまま書くのではなく、「@」記号を「.」に置き換えて記載
・例えば、「postmaster@example.jp」が管理者のメールアドレスであれば、「postmaster.example.jp」と記載する |
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・ゾーンファイルのバージョンを表す数字
・基本的には大きいほど新しいバージョン
・管理者が便利な形で記載すればよいが、ゾーンファイルの更新日から、YYYYMMDDnn という10けたの数字を使うことが多い
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続く 3 つの情報は、セカンダリネームサーバがプライマリのネームサーバから入手したゾーン情報を、どう扱うかを指定するものです。各データはそれぞれ秒数で指定されています。
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名前:REFRESH(3600)
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・ゾーンの情報をリフレッシュするまでの時間
・セカンダリネームサーバはゾーン転送をした後、この時間がたつと、ゾーンの更新がされたかを問い合わせ、必要に応じて再度データを手に入れようとする |
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名前:RETRY(900)
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・REFRESHでゾーン情報の更新ができなかった場合に、RETRYで指定された時間後に再度リフレッシュを試みる |
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名前:EXPIRE(604800)
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・何らかの理由でゾーン情報のリフレッシュができない状態が続いた場合、セカンダリネームサーバが持っているデータをどれだけの時間利用してもよいかを示す |
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最後の数字はキャッシュサーバの挙動を制御するものです。
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名前:MINIMUM(Negative cache TTL)(3600)
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・ネガティブキャッシュとは、存在しないドメイン名であるという情報のキャッシュを意味する(ネガティブキャッシュの維持する時間)
・存在しないドメイン名をコンテンツサーバに問い合わせた場合、NXDOMAINというステータスで応答がある
・キャッシュサーバはほかの情報と同じように、この「存在しない」という情報を指定された時間保持している |
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