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サミット開幕、世界経済「安定化の兆し」表明へ

7月8日21時50分配信 産経新聞

サミット開幕、世界経済「安定化の兆し」表明へ
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サミットへ向けて、イタリアに出発した麻生太郎首相=6日(写真:産経新聞)
 【ローマ=今堀守通】主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)が8日午後(日本時間8日夜)、イタリア中部のラクイラで開幕した。世界経済について、一部指標に改善傾向が出てきたことから「安定化の兆しがある」と表明し、財政・金融政策を平時に戻す「出口戦略」にも言及する見通しだ。ただ、新興国の一角を占める中国の胡錦濤国家主席が新疆ウイグル自治区の暴動に対処するため急きょ帰国したため、温暖化問題の議論に大きな影を落とすことになった。

  オバマ氏と談笑する麻生首相

 経済・金融情勢は、4月にロンドンで主要20カ国・地域(G20)が参加した金融サミットが開かれ、9月には米ピッツバーグでも開催されるため、今回は「中間地点」との位置付けで世界経済の現状やG20で合意された対策の進捗(しんちょく)状況を点検した。

 G8は、6月の財務相会合で世界経済に安定化の兆しが出ているとの共同声明を出したことから、首脳間でも同様の認識を踏まえた議論をスタート。各国が緊急避難的に実施してきた財政・金融政策に関する「出口戦略」が焦点となった。

 また、各国の失業率が依然として高いことから雇用拡大の重要性についても言及があったとみられる。

 地球温暖化では、温室効果ガス排出削減の長期目標について「2050年までに80%削減する」との新たな目標を掲げて新興国に取り組みの強化を迫る方向だった。だが、世界第2位の排出国である中国の胡主席が帰国したため、実効性ある合意に達するのは困難な情勢になった。

 8日夜(日本時間9日未明)に議論する政治問題では、核拡散問題が主要議題になる。オバマ米大統領がプラハで演説した「核のない世界」に向けて、すべての核保有国にさらなる核軍縮を求める方向だ。とくにイランと北朝鮮の問題にも言及する見通しだ。

 9日はG8に新興国を加えた会合や、10日のG8とアフリカ諸国などとの対話があり、議長国イタリアのベルルスコーニ首相が議長宣言を発表して閉幕する。

 サミット開催に先立ち、前議長国になる麻生太郎首相は7日夜(日本時間8日未明)、ベルルスコーニ首相と会談し、北朝鮮問題でG8として適切なメッセージを出すべく協力していくこと確認した。

 また、G8は共通の価値観を共有する国として引き続き協議・協力していくとの認識で一致した。

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最終更新:7月9日2時53分

産経新聞

 

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