伝えたい − 戦争の体験
2008年2月14日
「国旗・国家」法制定(99年8月)から、反動化は『憲法』9条改悪に向けて急ピッチに進んでいる。それは、戦争の実態を知らない世代が増えているからだ。
「戦争体験者」が怠慢だったのだとの思いから、東京都高等学校教職員組合(略称=都高教)のOBである都高教退職者会(略称=都高退教)が、高校教員だった会員から「体験」を集めた本である。
直接戦地で戦いに参加した人の体験記はない。この人たちは、高齢か既に亡くなっているかで、書けなかったのだ。戦争が遠い昔のことになったのだと思う。
戦地には行かなかったが、執筆者達が戦争時代に受けた軍国主義教育の実態と、戦争中の生活(勤労動員に駆り出され、殆どまともな勉強が出来なかったり、戦災で疎開したり、家族がばらばらの生活を余儀なくされたり)が克明に記され、戦争の不条理が身体にしみ込んで来る。
今までにも、多くの「戦争体験」本があるが、本書は教育という視点から書かれているので、他の本と一味違ったものになっている。
沖縄を除いて「直接の戦場」にならなかったことから、戦後の若い人達は日本での戦争の被害が、国民すべてに及んでいたということを知らないように思う。
本書はその面を理解するのにも、大いに役立つだろう。
教員だけでなく、高校生、中学生にも読んで欲しいと思う。
単行本 | 155ページ/B5判 |
出版元 | 都高退教事務局 |
発売日 | 2007年10月21日 |
頒価 | 1,000円(郵送料込み) |
問い合わせ先 | 都高退教事務局 TEL・FAX : 042-371-3062(安藤方) |