「首長グループ」による政党支持の表明を目指す大阪府の橋下徹知事は8日、東京都内で民主、公明両党の幹部らと相次いで会談した。次期衆院選を見据え、9日に会談する自民党を含め、橋下氏に批判され世論の支持を失いたくないとの思いものぞき、会談は地方分権などの政策アピール合戦のイメージさえ感じさせた。【高山祐、野口武則】
「涙が出るほど感動した。『政策を議論する』と言いながら選対委員長と議論するのとは違う」。民主党の原口一博「次の内閣」総務担当は党本部で会談後、記者団に橋下氏を絶賛。自民党との接近ぶりが目立つ東国原英夫・宮崎県知事との違いを強調した。
会談は報道陣に公開で、橋下氏は自らが批判した「300の基礎自治体への再編」を民主党が撤回したことを、「柔軟だ」と評価。地方にかかわる国の政策決定について「知事会、市長会に同意権、拒否権を与えられないか」と踏み込んだ。
原口氏は賛同。鳩山由紀夫代表も記者団に対し「橋下知事は非常に民主党の考え方に近い。これからも連携を取り合っていきたい」と秋波を送った。
民主党は、橋下氏に鳩山氏などの執行部ではなく政策担当者が応対するなど、自民党に比べ余裕の構えではある。「地方自治体の主張を直ちにマニフェストに入れることは考えていない」(直嶋正行政調会長)などの声も出る。それでも、人気の高い橋下氏を不用意に扱うことで世論の支持を失うことは避けたいとの思惑ものぞく。
一方、与党は「少なくとも橋下氏が民主党だけに肩入れするような事態は避けなければいけない」(幹部)と神経をとがらせる。8日の橋下氏と北側一雄幹事長ら公明党幹部との会談では、国の政策決定への地方の関与について、橋下氏が「民主党の皆さんは動き始めた。政権与党の考えをうかがいたい」と競争心をあおると、北側氏は「ぜひわが党のマニフェストにも反映していきたい」と前向きに応じた。
橋下氏は9日、自民党の古賀誠選対委員長とも会談する予定。
毎日新聞 2009年7月8日 21時01分(最終更新 7月8日 22時59分)
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