2009年7月12日 23時32分 更新:7月13日 22時6分
次期衆院選の前哨戦として注目された東京都議選(定数127、42選挙区)は12日投票が行われ、午後8時半から各開票所で順次開票作業が進められた。追い風に乗る民主党(現有34議席)が各選挙区で票を伸ばし、初めて第1党になった。麻生政権の支持率低迷で逆風にさらされた自民党(同48議席)は大敗し、公明党(同22議席)と合わせた議席は過半数を割り込んだ。麻生太郎首相は都議選後の衆院解散・総選挙を模索しているが、党内で「麻生降ろし」の動きが激化するのは必至だ。
投票率は前回(05年)の43.99%を大きく上回る54.49%。自民は40年間維持してきた第1党から転落した。
民主は今回の選挙を「政権選択につながる戦い」と位置付け、次期衆院選との連動を強調する戦略を取った。新銀行東京の経営問題など都政上の課題でも、人気に陰りの見える石原慎太郎知事とそれを支える自民・公明両党を批判。国政、都政の双方で対決姿勢を鮮明にした。共倒れの危険をはらみながらも、定数の過半数にあたる64人を公認・推薦した。
58人を公認した自民は、逆風を念頭に「国政と都政は別」と主張する守りの選挙を強いられた。一方で、麻生首相自らがほとんどの候補者の事務所を訪れて激励するなど、組織を挙げた総力戦の構えで臨んだ。しかし、鳩山邦夫総務相の辞任や党役員人事を巡る迷走がマイナス要因となったほか、投票率の上昇も組織に頼る同党には不利に働いた。
前回と同じ23人を擁立した公明も組織戦を展開した。創価学会を中心に危機意識を高めた。【鮎川耕史】