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露「2島交渉」を明言 領土固定化へ圧力
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【モスクワ=佐藤貴生】ロシアのメドべージェフ大統領が10日、北方領土問題は「日ソ共同宣言」を基礎に交渉するとの姿勢を明確にしたことで、当面は領土問題での進展が望めないことがほぼ確実となった。改正北方領土問題解決促進特別措置法が日本で成立したことを口実に、交渉の幕引きを図る狙いといえる。今後は北方四島の実効支配を強めて領土の固定化を目指すため、「ビザなし交流」の停止も含め、圧力をかけてくることが予想される。
インタファクス通信によると、大統領は10日の記者会見で前日の日露首脳会談に関連し、「(日露双方は)互いに歩み寄れない立場にある」と認める一方、協議は続ける方針を示した。とはいえ、領土交渉停止などを求める露政界の強硬な対日姿勢を考えれば、ロシア側が妥協する公算は小さいのが実情だ。
プーチン首相は9日、企業間の敵対的買収を引き合いに出し、「(隣国との間で)これを許すことは決してありえない」と述べた。国名こそ挙げなかったが、10日付露コメルサント紙は日本に対する「極めて厳しい態度」を表明したとし、「(5月の)首相訪日時に日本の一部政治家が抱いた幻想は消えた」と評した。
ロシアは今年1月には、ビザなしで上陸を認めてきた日本の人道支援訪問団に「出入国カード」の提出を求めるなど、北方四島に対する領土主権の既成事実化を進めている。
プリホチコ大統領補佐官も9日、ビザなし交流の継続はあくまで条件つきだと強調し、「政治問題化せず、領土問題に無関係であり続ければ未来はある」と述べた。
極右政党の自由民主党は10日までに、北方領土を含む千島列島すべてが「不可分のロシア領だ」とする法案を下院に提出しており、露政界の強硬姿勢はしばらく続きそうだ。
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