自民党総裁選で動向が注目される小泉元首相が16日、「小泉改革の継承」を掲げる小池百合子氏の陣営に初めて足を運び、小池氏を激励した。しかし、出身派閥の町村派では麻生太郎氏を支持する勢力が結束を強め、麻生氏圧勝の流れは変わっていない。
「これは一つの戦争だ。まだまだ大きな戦場はいっぱいある。堂々と展開すればいい」。小泉氏は16日、東京・神宮外苑(がいえん)のレストランで開かれた小池氏の「激励ランチ」に姿を見せた。会場は、小泉氏が初めて立候補した95年総裁選で激励会が開かれたゆかりの場所。町村派や無派閥の中堅・若手議員ら25人を前に「小池総理になれば変わる。世界に発信できるし、これほど変化が起こったことを示す道はない」と力説した。
ただ、総裁選の潮目を変えるまでには至っていない。
自民党本部で16日開かれた町村派有志による麻生選対の必勝決起集会には同派議員41人が顔をそろえ、麻生氏は同派の7割に及ぶ61人分の推薦念書の束を手渡され、高らかに掲げてみせた。束の一番上には海外出張中の森元首相の念書が置かれた。麻生氏が過去の総裁選を引き合いに「清和会(町村派)から初めて応援していただくことになり、大変ありがたく心からあつくお礼申し上げる」と述べると場内から笑いが漏れた。
「asahi.com」 2008年09月17日
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