「財務省そっぽ、反応は冷ややか…迷走麻生の閣僚人事」の記事詳細：イザ！

　迷走する麻生首相に、財務省が愛想を尽かし始めた。自民党役員＆閣僚人事をやるのかやらないのかで揺れ続けた末に、閣僚の補充人事しかできなかったことについて、複数の同省幹部は「感想はない」「人事は（財務省にとって）あんまり関係ないね」などと冷ややか。霞が関を仕切る彼らから見限られた麻生首相の行く末は－。

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記事本文の続き　総選挙を控え、不人気ぶりを露呈している麻生政権。これでは選挙を戦えないと「麻生降ろし」に向けた動きが活発化するなか、麻生首相は選挙態勢強化のため、党役員人事を検討しだす。やるのかやらないのかはっきりしない状態が続いた揚げ句に結局断念し、兼務解消を目的にした閣僚の補充人事だけを７月１日に行った。

　与謝野馨財務相兼金融担当相（７０）が兼務していた経済財政担当相に林芳正前防衛相（４８）を、佐藤勉総務相（５７）が兼務していた国家公安委員長に林幹雄自民党幹事長代理（６２）を据えた。

　財務相から経済財政担当相の兼務が外れたことについて、ある財務省幹部は冷ややかだ。

　「本当は自民党の役員人事で、役員から外れた人を処遇するために閣僚の補充人事も行うつもりだったんでしょう。役員人事がダメになって閣僚人事もやる必要がなくなってしまったけど、両方ともやらないと求心力が一気に低下し、『麻生降ろし』がさらに加速してしまう。それを避けるために行ったのが、閣僚の補充人事です」

　とはいえ、ニッポン経済は「１００年に一度の危機」からなんとか立ち直ろうとしている時期。経済のかじ取りを担う経済財政担当相の役割も重いはずだが、別の財務省幹部は「それほどでもないんじゃないの」と鼻で笑う。

　「経済財政政策の方向を示す『骨太の方針２００９』も、２０１０年度予算のシーリング（概算要求基準）もすでに終わったこの時期に、経済財政担当相のやることなんて何もない」からだ。

　やらなくてもいい人事を迷走の末に行い、財務省から“白い目”でみられている麻生首相。身内である自民党内からも冷たい視線が集まる。

　「党役員人事にしたって、やみくもに突っ走ろうとした揚げ句に、麻生さんを支持してきた最大派閥の町村派や、大島理森国対委員長からも強く反対されてしまった。このまま強行突破すれば政権が一気に沈みかねなくなり、党役員人事をあきらめてしまう。政権与党のリーダーの“器”ではないということだ」（有力筋）

　国民からの支持を失っているうえ、支えるはずの自民党や財務省からも“白い目”でみられている麻生首相。「ここまで四面楚歌になった首相も珍しい」（同）という。これはもう自ら身を引くしかなさそうだが…。