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「定年性依存症」ご用心
このニュースのトピックス:文学・書籍
定年性依存症という言葉を見て、どきっとする人は多いだろう。定年後の不安はだれも同じだ。この言葉は『定年性依存症』(WAVE出版)の著者である精神科医の岩崎正人さん(57)の造語だという。
「依存症には高齢の発症と若年性の発症とがあり、最近は、定年を迎えるころの依存症発症が多い。仕事が生きがいの人は定年でポッカリと穴があいたようになる」と、岩崎医師は話す。
この著書ではアルコール、ギャンブル、出会い系の3人のケースを取り上げている。
どういう人がそうした依存症になるか、岩崎医師は(1)対人関係が上手ではない人(2)劣等感が強く、自信のない人(3)自己表現が得意でない人−だという。「ものごとにこだわる人が多い。何かに熱中していないと不安なのです」
岩崎医師は定年性依存症は予防が大切で、何よりも生涯を通じて、用心深く予防することだという。「生き方そのものを変えていかないといけない。企業もそこまでは目配りをしていない」
定年性依存症では、早期発見、早期対応が大原則だという。家族の対応としては支援を控えること。依存対象を断つことを目的に集まる自助グループに参加することをすすめる。
治療には、クリニックを訪れることをすすめる。それでも依存症は治癒するのではなく回復するだけだ。しかも回復までに3年かかるという。定年を迎える人には人ごとではすまされない。(M)
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