2009年7月31日13時42分
「伏してお願い申し上げます」。支持者の前で頭を下げる片山さつき氏=浜松市中区西丘町
「よろしくお願いいたします」。支持者と握手を交わす片山さつき氏(右)=浜松市浜北区西美薗
「小泉チルドレン」と呼ばれる自民党衆院1期の前職たちが、逆風にさらされている。比例区では処遇が決まらない立候補予定者もいる。「チルドレンの星」といわれた静岡7区の片山さつき氏(50)も例外ではない。
「主人と2人、残りの人生は公のために使おうねって誓ったんです」
浜松市中区で衆院解散前に開かれた片山氏の事務所開き。サーモンピンクのジャケットを着た片山氏はこう語ると、約1500人の支持者を前に、壇上で土下座した。
片山氏は05年衆院選で、郵政民営化に反対した元職、城内実氏(44)に自民党が差し向けた「刺客」として静岡7区から立候補した。女性初の財務省主計官で、赤やピンクのスーツを着こなし、ワイドショーでも騒がれた。選挙では城内氏を748票差で破り、当選後、党広報局長や経済産業大臣政務官に就いた。
しかし、華々しい活躍ぶりも、地元の支持者にとってはテレビの中の話。仕事が忙しく、選挙区に入れない片山氏を待っていたのは「当選のお礼参りがない」「しょせんは落下傘だよ」という支持者たちの不満の声だった。
一方、苦杯をなめた城内氏はこの間、「信念を貫く男」と書いたのぼりを手に、山間部から沿岸部まで辻立ちをしてきた。今回は、平沼赳夫元経済産業相率いる「平沼グループ」の一員として選挙に臨む。地縁も血縁もない片山氏を意識し、城内氏は「ご先祖様の眠る浜松を本当に愛している」と強調している。